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「VMware Workstation/Player」が「Hyper-V」と共存可能に ~v15.5.5が正式公開
「Windows 10 May 2020 Update」へのアップグレードが必要
2020年5月29日 13:29
米VMwareは5月28日(現地時間)、パーソナルデスクトップ向けの仮想化ソリューション「VMware Workstation 15.5.5」「VMware Workstation Player 15.5.5」をリリースした。本バージョンの目玉は、「Hyper-V」との共存が可能になったこと。
最近のWindowsでは、「Hyper-V」仮想化でシステムから隔離されたサンドボックスを利用するタイプのセキュリティ機能がいくつか導入されている。「Windows Defender」ブランドで展開されている「Application Guard」や「Device Guard」、「Credential Guard」などがそれで、これらは“仮想化ベースのセキュリティ(Virtualization Based Security:VBS)”とも呼ばれている。
しかし、このVBSには1つの大きな問題があった。「VMware Workstation」をはじめとする、「Hyper-V」以外の仮想化製品と併用できないのだ。そのため、ユーザーはVBSを有効化してサードパーティー製仮想化製品を諦めるか、サードパーティー製仮想化製品を導入して「Hyper-V」とそれ由来のOS機能を諦めるかの二択を迫られていた。
こうした不便を解消するため、MicrosoftはVMwareとの協力のもと、“Windows Hypervisor Platform(WHP)”と呼ばれるAPIを実装。サードパーティーに採用を進めていた。このAPIに準拠していれば、その仮想化製品を1つのシステムに「Hyper-V」と同居させることができる。
なお、VBSが有効化されたホストで「VMware Workstation」「VMware Workstation Player」を利用するには、OSを「Windows 10 May 2020 Update(バージョン 2004)」へアップグレードする必要がある。また、CPU要件としてIntel製の場合“Sandy Bridge”もしくはそれ以降、AMD製の場合“Bulldozer”もしくはそれ以降のアーキテクチャーが指定されているので注意したい。
そのほかにも、本バージョンでは「Windows 10 May 2020 Update(バージョン 2004)」「Ubuntu 20.04」が対応OS(インストール可能なホスト)に加えられた。また、ゲストとして以下のOSが追加でサポートされている。
- Windows 10 May 2020 Update(バージョン 2004)
- Ubuntu 20.04
- Fedora 32
パフォーマンスの改善や不具合の修正、セキュリティアップデートも含まれているとのことなので、できるだけ早い移行をお勧めする。
「VMware Workstation」は、1台のPC上で複数のOSを仮想マシン(VM)として実行できるツール。対応OSはWindows/Linuxで、動作には64bit版のCPUとOSが必要。“Player”と“Pro”がラインナップされており、“Player”は個人利用および非商用に限り無償で利用できる。“Player”の商用ライセンスは18,645円(税込み)、“Pro”のライセンスは31,075円(税込み)。
ソフトウェア情報
- 「VMware Workstation Player」
- 【著作権者】
- VMware, Inc.
- 【対応OS】
- 64bit版のWindows/Linux
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(個人利用のみ)
- 【バージョン】
- 15.5.5(20/05/28)