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「iOS 13.6」「iPadOS 13.6」が公開 ~iPhoneでクルマの施錠・開錠、エンジンの始動が可能に
脆弱性の修正はCVE番号ベースで29件
2020年7月16日 10:00
米Appleは7月15日(現地時間)、「iOS 13.6」および「iPadOS 13.6」を正式リリースした。すべてのユーザーに推奨されるセキュリティアップデートとなっている。「iOS 13.6」では車のデジタルキーがサポートされたほか、「ヘルスケア」アプリに新しい症状のカテゴリが追加された。
デジタルキーは開発者向けイベント“WWDC20”でお披露目された機能で、対応した車種であればiPhoneを使ってロックを解除したり、エンジンの始動が行える。デジタルキーは「iMessage」アプリで簡単に共有できる仕組みになっており、フルアクセスを許可したり、運転を制限することも可能。もしiPhoneを失くしても“iCloud”経由で安全に削除できる。iPhoneのバッテリーがなくなってしまった場合も、予備電力により最大5時間のロック解除とエンジンの始動が可能だ。
そのほかにも、以下の機能改善や不具合修正が行われた。
- Wi-Fiに接続されたときに自動でデバイスにアップデートをダウンロードするかどうかを選択するための新しい設定を追加
- iCloud Driveからのデータの同期中にAppが応答しなくなることがある問題に対処
- データローミングを有効にしていても、eSIMのデータローミングが無効になっているように表示されることがある問題を修正
- サスカチュワン州からの一部の電話が米国から発信されているように表示される問題を修正
- Wi-Fi通話で電話をかけたときに音声が途切れることがある問題に対処
- 一部のiPhone 6SおよびiPhone SEでWi-Fi通話の登録ができない問題を修正
- 特定の他社製ハードウェアキーボードに接続すると、ソフトウェアキーボードが予期せず表示されることがある問題を解決
- 日本語のハードウェアキーボードが誤って英語(US)キーボードとしてマッピングされることがある問題を修正
- AssistiveTouchが有効になっているときにコントロールセンターにアクセスした際の安定性に関する問題に対処
- 常時接続のVPN接続によって送信されるトラフィックから除外するドメインを管理者が指定できるメカニズムを提供
一方、「iPadOS 13.6」は不具合の修正が主。以下の機能改善や不具合修正が施されている。
- Wi-Fiに接続されたときに自動でデバイスにアップデートをダウンロードするかどうかを選択するための新しい設定を追加
- iCloud Driveからのデータの同期中にAppが応答しなくなることがある問題に対処
- 特定の他社製ハードウェアキーボードに接続すると、ソフトウェアキーボードが予期せず表示されることがある問題を解決
- 日本語のハードウェアキーボードが誤って英語(US)キーボードとしてマッピングされることがある問題を修正
- AssistiveTouchが有効になっているときにコントロールセンターにアクセスした際の安定性に関する問題に対処
- 常時接続のVPN接続によって送信されるトラフィックから除外するドメインを管理者が指定できるメカニズムを提供
なお、「iOS 13.6」「iPadOS 13.6」では脆弱性の修正も行われているので注意。同社が公開したセキュリティアドバイザリによると、今回修正された欠陥はCVE番号ベースで29件。カーネルやオーディオで任意コードが実行される不具合、メールやBluetoothでサービス拒否(DoS)攻撃が可能になる問題、「iMessage」グループから削除されたユーザーが再びグループに参加できる欠陥、「WebKit」に関連する不具合などが対処されている。
「iOS 13」はiPhone 6s以降、「iPadOS 13」はiPad Air 2以降、iPad Proの全モデル、iPad 5世代以降、iPad mini 4以降に対応しており、自動で最新版へ更新される。「設定」アプリの[一般]-[ソフトウェア・アップデート]セクションから手動でアップデートすることも可能だ。