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「Visual Studio 2019」v16.7が正式公開 ~「Git」関連の機能を引き続き強化

v16.8のプレビュー初版もリリース

「Visual Studio 2019」v16.7

 米Microsoftは8月5日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2019」の最新版v16.7を正式公開した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。無償で利用できる“Community”エディションも用意されている。

 今回リリースされたv16.7は、「Visual Studio 2019」で3番目の長期サービスリリース(前回はv16.4、今年10月までサポート)。セキュリティアップデートを含む修正プログラムの提供がリリース後12カ月間保証されるので、同じバージョンを安定して長く使い続けたい場合は本バージョンの利用がおすすめだ。v16.5/v16.6のサポートは打ち切られるので注意したい。

 本バージョンでは、プレビュー提供中の「Git」関連機能が強化。マージの競合を解決する処理が改善された。たとえばマージする際に手動で解決しなければならない競合が検出されると、エディター上部に黄色い情報バーが現れ、マージエディターを開くように促される。マージエディターでは2つのファイルの差分が表示され、残したい部分またはファイルのチェックボックスをONにするだけで競合の解決処理が可能。結果もプレビューできるので、ファイルを手動で編集して競合を解決するときにありがちな混乱がない。マージエディターの差分の表示やツールバー周りのデザインも見直されており、従来よりもより使いやすくなっているという。

マージする際に手動で解決しなければならない競合が検出されると、エディター上部に黄色い情報バーが現れ、マージエディターを開くように促される
残したい部分またはファイルのチェックボックスをONにするだけで競合の解決処理が行えるマージエディター

 そのほかにも、新しい「Git」リポジトリウィンドウが追加。新しいリポジトリを作成するフローやリモートの“GitHub”アカウントにプッシュするプロセスも見直された。この「Git」関連機能は、「Visual Studio」のオプション画面で有効化可能。利用可能になると、[Git]メインメニューや[Git Changes]パネルが現れる。

「Git」関連機能は、「Visual Studio」のオプション画面で有効化可能

 開発機能に関する改善としては、C++サポートの拡充(アドレスサニタイザー、C++20機能の一部導入など)やWPF/UWPデザイナーの改善(デザイン時データに対応)、.NET CoreプロジェクトでWindows Formsデザイナーが利用できるようになった点などが目玉。XAMLコードエディターではカラーコードの横に色をプレビューするアイコンが追加された。コード補完機能“IntelliSense”も強化されており、たとえば“DateTime”や“TimeSpan”書式指定文字列の入力候補も表示されるようになった。

コード補完機能“IntelliSense”も強化

 なお、同日付けで「Visual Studio 2019」v16.8のプレビュー初版もリリースされている。このプレビュー版では「Git」関連の機能が引き続き強化されているほか、クイックアクションやリファクタリングメニューの使い勝手向上が図られている。