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「.NET 5.0」に対応した「Visual Studio 2019」v16.8.0が正式公開 ~新しいGit機能もプレビュー卒業
同じく「.NET 5」をサポートした「Visual Studio 2019 for Mac」v8.6も同時リリース
2020年11月12日 18:38
米Microsoftは11月10日(現地時間)、統合開発環境「Visual Studio 2019」の最新版v16.8.0を正式公開した。現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。無償で利用できる“Community”エディションも用意されている。
「Visual Studio 2019」v16.8.0における変更点は多岐にわたるが、まず注目すべきはこれまでプレビューとして提供されてきた「Git」管理機能が既定で有効化されたことだろう。メインメニューに新設された[Git]メニューからリポジトリの作成、クローン、オープンが可能になったほか、統合された「Git」ツールウィンドウでコミットやプッシュ、ブランチの管理、競合の解決、マージといった処理が行えるようになった。「.NET Core 3.1」および「.NET 5.0」のWindowsデスクトップアプリでは「ClickOnce」によるアプリ配布もサポートされる。
また、C++言語(C++20)や「.NET 5.0」(C# 9.0/F# 5.0)もサポートされた。最新の言語機能への対応や、コード補完機能“IntelliSense”の拡充、パフォーマンスの向上が図られた。「.NET 5.0 SDK」では「Roslyn」ベースのコードアナライザーが付属するようになり、「.NET 5.0」以降で既定で有効化される。
XAML開発ではデータバインディングの失敗を検知して開発者に知らせるインジケーターがデバッグ時に利用できるようになり、XAMLバインドエラーウィンドウで詳細を確認したり、エラー箇所へナビゲーションできるようになった。「.NET 5」ベースのWindows Forms デザイナーのパフォーマンスも向上している。
不具合も多く解決されているが、特権昇格につながりうる「Python Tools for Visual Studio」の脆弱性(CVE-2020-17100)には注意したい。できるだけ早いアップデートをお勧めする。
なお、次期バージョン「Visual Studio 2019」v16.9のプレビューもリリースされており、「Git」機能の強化や「WSL 2」を利用した「.NET Core」のデバッグ、「Visual Studio」プロファイルの切り替えなどがテストされる。正式リリースは年内の予定で、その後はv16.9が「Visual Studio 2019」で4番目の“サービスベースライン”となる。前回の“サービスベースライン”であるv16.7は、v16.9のリリース後1年でサポート打ち切りとなる。
一方、同日リリースされた「Visual Studio 2019 for Mac」v8.8では「.NET 5」への対応に加え、「Blazor WebAssembly」(WASM)アプリのデバッグがサポートされる。また、「Xamarin」開発向けの改善がいくつか行われているとのこと。