ニュース

Microsoft、ARM環境で「OpenCL」「OpenGL」アプリを動作させる互換機能パックを公開

ARM64版「Photoshop」ベータ版などで利用される

「OpenCL と OpenGL の互換機能パック」

 米Microsoftは11月17日(現地時間)、ARM版「Windows 10」(Windows 10 on ARM)向けに「OpenCL と OpenGL の互換機能パック」(OpenCL and OpenGL Compatibility Pack)をリリースした。現在、“Microsoft Store”から無償でダウンロード可能。

 この互換機能パックは、「OpenCL」や「OpenGL」のハードウェアドライバーが既定でインストールされていない「Windows 10 on ARM」デバイスで「OpenCL」「OpenGL」アプリを動作させるためのもの。「DirectX 12」ドライバーがインストールされていれば、パフォーマンスアップのためにハードウェアアクセラレーターを介して実行される。同社は今年初め、Collabora社(「LibreOffice」をiOSへ移植した「Collabora Office」で有名)とパートナーシップを結び、「OpenCL」と「OpenGL」マッピングレイヤーを「DirectX 12」上に構築する取り組みを進めてきたが、その成果であるという。

 「OpenCL と OpenGL の互換機能パック」は“Microsoft Store”からインストールする仕組みになっているがアプリケーションではなく、「Mesa」をフォークしたオープンソースライブラリなどで構成されている。[スタート]メニューにも登録されない。単体では利用できず、本日公開されたARM64版「Photoshop」ベータ版など、対応アプリで用いられることになる。

 なお、対応OSは「Windows 10 バージョン 2004」(OS ビルド 19041.488以降)。“Windows Insider Preview”ビルドであれば、プレビュー機能も利用できる。ARM環境以外にもインストールできるがネイティブの「OpenGL」ドライバーが優先されるため、あまり意味はないだろう。