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「PCMark 8」のサポートが2021年1月14日で終了 ~「3DMark」の一部テストなども

旧製品は無保証となるが、無償で解放される

「PCMark 8」

 フィンランドのULは12月16日(現地時間)(現地時間、以下同)、「PCMark 8」のサポートを2021年1月14日で終了すると発表した。今回サポートの終了がアナウンスされた製品は、以下の通り。現行版「3DMark」に含まれる古いベンチマークテストも対象となっている。

「3DMark Sky Diver」

 「3DMark Sky Diver」は、統合グラフィックス搭載PC向けのDirectX 11ベンチマーク。2014年にリリースされ、「Fire Strike」では負荷が高すぎて意味のある結果が得られない環境で用いられてきたが、最近のPCをテストするには負荷が不十分なため廃止される。

 統合グラフィックス搭載PCのテストには「3DMark Night Raid」(DirectX 12)や「3DMark Wild Life」(Vulkan)がおすすめだ。

3DMark API Overhead feature test

 2015年にWindows 10とDirectX 12の発売に合わせて発表された機能。なるべくソフトウェア層を薄くし、ハードウェアへ直接アクセスできるようにすることで極力オーバーヘッドを減らすように設計されたDirectX 12、Metal、Vulkanといった新しいAPIを、古いAPIと比較するためのテストだった。

 現在ではAPIのコールが速いのは当然で、サポートされている機能と互換性のほうが重要になっている。そのため、このテストが今後アップデートされることはない。

PCMark 8

 「PCMark 8」は、ホーム・ビジネスPCのパフォーマンスを測定するベンチマーク。2013年にWindows 8を搭載したPC向けにリリースされたが、すでにWindows 8/8.1を搭載するPCのシェアは低く、役割を終えたとみてよいだろう。

Servermark Media Transcode

 メディアファイルのトランスコード(変換)サーバーの性能をテストするためのベンチマーク。2017年にリリースされたが、ベンチマークの対象としていたCPUとソフトウェアライブラリはもはやあまり使われていない。そのため、今後はアップデートやリプレースが行われる予定はない。

VRMark for Android

 「VRMark」は、VRヘッドセット向けベンチマーク。Android版は2018年にリリースされ、“GoogleのDaydream”デバイスのパフォーマンスを測定することができた。

 しかし、“GoogleのDaydream”は今年10月にサポート終了がアナウンスされた。現時点では新たにスマートフォン向けのVRベンチマークを開発する予定はないという。

 Windows版の「VRMark」は今後も利用可能だ。

 サポートの終了後は各アプリストア(UL、Steamなど)での販売が行われなくなるほか、更新プログラムの配信やオンラインサービスの動作保証、カスタマーサポートなどが打ち切られるため、代替製品への移行が推奨されている。

レガシー製品は無償解放される

 なお、サポート終了後の製品は過去の製品と同様、無償で開放される。互換性や動作の保証こそないが、これからも楽しむことができる。