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「DirectX 12 Ultimate」のメッシュシェーダーの威力を「3DMark」の新しい専用テストで実感

サンプラーフィードバック(Sampler Feedback)のテストも今年後半追加へ

「3DMark Mesh Shader機能テスト」

 フィンランドのULは2月11日(現地時間)、「3DMark Mesh Shader機能テスト(feature test)」を発表した。「DirectX 12 Ultimate」を構成する要素の一つ、メッシュシェーダーがどれだけフレームレートを向上させるのかを測ることができる。

 メッシュシェーダー(Mesh Shaders)はグラフィックスパイプラインを簡素化し、開発者がジオメトリ処理をより柔軟に制御できるようにするために導入された。3Dグラフィックスにおいて、メッシュとはオブジェクトの形状を定義する頂点、エッジ、面のセットのことを指すが、従来のグラフィックスパイプラインではメッシュ内のすべてのジオメトリデータを順次処理してから次のステップに進む必要がある。そのため、この部分が大きなボトルネックとなる可能性がある。

 メッシュシェーダーはこれを解決するために、メッシュをメッシュレットと呼ばれる小さなセクションに分割し、並行処理する。Amplification Shaderと呼ばれる前処理を行えば、描画する必要がない不可視ポリゴンを効率的に判断し、計算量を大幅に削減する(カリング)ことも可能だ。

 「3DMark Mesh Shader機能テスト」は、非常に細かい彫刻が施された柱が何列も並ぶホールを2回レンダリングする。1回目は従来のアプローチで、2回目はメッシュシェーダーを利用し、そのフレームレートの差を計測するわけだが、カメラがシーン内を移動すると前の柱が後ろの柱を隠すので、いかにカリング処理を賢く行うかがパフォーマンスに直結する。本テストに搭載されているインタラクティブモードを利用すれば、メッシュシェーダーのメリットに対する理解が深まるだろう。

非常に細かい彫刻が施された柱が何列も並ぶホールを2回レンダリング。いかに効率よくカリングするかがパフォーマンス向上のカギ
メッシュシェーダーのメリットを視覚的に表現したインタラクティブモード

 そのほかにも、「3DMark」では「DirectX 12 Ultimate」の機能をテストするための専用ベンチマークがいくつか用意されている。

  • 3DMark DirectX Raytracing feature test
  • 3DMark Mesh Shader feature test(今回追加されたテスト)
  • 3DMark VRS feature test
  • 3DMark Sampler Feedback feature test(今年後半追加予定)

 動作要件は「DirectX 12 Ultimate」に対応したGPUとドライバーを備えた64bit版「Windows 10 May 2020 Update(バージョン2004)」以降。「3DMark Advanced Edition」と「3DMark Professional Edition」に対する無償アップデートとして提供される(Professional Editionは有効な年間ライセンスが必要)。

ソフトウェア情報

「3DMark」Basic Edition
【著作権者】
UL LLC
【対応OS】
Windows 7以降
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
2.17.7137(21/02/11)