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「Power Automate Desktop」と「Windows Terminal」がOSに同梱 ~プレビュー版でテスト
「メモ帳」は再び“Microsoft Store”経由でアップデート可能に
2021年3月18日 07:15
米Microsoftは3月17日(現地時間)、「Windows 10 Insider Preview」Build 21337(RS_PRERELEASE)を“Windows Insider Program”の“Dev”チャネルで公開した。「Power Automate Desktop」と「Windows Terminal」がOSに同梱されるなど、インボックスアプリ(初期状態で同梱されているアプリ)でいくつかの変更が行われている。
「Microsoft Power Automate Desktop」はマウスのクリックやキーボードの入力といった操作を自動化するRPA(Robotic Process Automation)ツールで、「Windows 10」ユーザーならば追加費用なしで利用できる。
人間がデスクトップアプリやWebブラウザーを操作する様子を記録して、それをあとから再生することも可能で、定型化された手作業からユーザーを解放し、より価値の高い仕事に時間を割けるようにしてくれる。「Windows 10 Home」や個人の“Microsoft アカウント”でも利用できるので、コストを支払ってプロの開発者に依頼するまでもない、日常のちょっとした不便を解消するために役立てたい。
なお、ARM版「Windows 10」にはまだ対応していないので注意。
一方、「Windows Terminal」はMicrosoftが主導でオープンソース開発しているターミナルアプリだ。タブで複数のシェル(PowerShell、WSL/Linuxなど)を切り替え可能で、ペインで画面を分割して複数のシェルを同時に利用できるなど、レイアウトの柔軟性も高い。また、内部の設計がモダナイズされており、パフォーマンスの向上はもちろん、カラー絵文字なども問題なく扱える点も魅力だ。
“Dev”チャネルのプレビュー版「Windows 10」で行われた変更はあくまでもテストのためのもので、かならずしも製品版に反映されるとは限らない。しかし、この2つのツールは同社が普及に力を入れているということもあり、いずれ製品版にも標準搭載されると思われる。
また、OS標準のテキストエディター「メモ帳」が“Microsoft Store”経由でアップデートされるようになることもアナウンスされた。新しいアプリケーションアイコンが追加されたほか、[スタート]画面のショートカットも“Windows アクセサリ”ではなく、すべてのアプリケーション直下に配置されている。
「メモ帳」をOSから切り離し、“Microsoft Store”経由で個別にアップデートできるようにする試みは以前にもテストされていたが、OSに統合された「メモ帳」を前提にしたシステムも少なくないからか、一度撤回されていた。今回の再チャレンジが成功すれば、OSのメジャーバージョンアップにかかわらず「メモ帳」の新機能と改善の恩恵を享受できるようになるだろう。