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Windows 8.1には“マンスリー ロールアップ”の適用を ~マイクロソフトが注意喚起

“セキュリティのみの更新プログラム”はあくまでも一時的な回避策

 日本マイクロソフト(株)は3月22日、Windows 8.1/Server 2012 R2以前のバージョンで提供されている月例の品質更新プログラムの運用に関する注意を発表した。“セキュリティのみの更新プログラム”ではなく、可能な限り“マンスリー ロールアップ”を適用するよう呼び掛けている。

 Windows 8.1/Server 2012 R2以前のバージョンでは、米国時間毎月第2火曜日(パッチチューズデー)に以下の2つのパッチが提供されている。

  • マンスリー ロールアップ
  • セキュリティのみの更新プログラム

 基本となるのはあくまでも“マンスリー ロールアップ”で、その月に行われた新規のセキュリティ修正と機能修正に加え、前月までの過去すべてのロールアップに含まれる変更が含まれる。一方、“セキュリティのみの更新プログラム”は“マンスリー ロールアップ”からセキュリティ関連の修正が行われたモジュールを抜き出したものだ。

“マンスリー ロールアップ”と“セキュリティのみの更新プログラム”の違い

 “セキュリティのみの更新プログラム”には、新元号“令和”に対応させる更新プログラムなど、状況に応じてセキュリティに関係のないモジュールを意図的に含めてリリースされることもある。しかし、これらの例外を除き、セキュリティに関係のない変更は含まれない。

 そのため、セキュリティ更新を受けたモジュールがアップデートされる一方、そうでないモジュールが古いまま放置されることがある。このような“つぎはぎ”状態はトラブルのもとで、実際“マンスリー ロールアップ”が適用されている環境では発生しない問題が、“セキュリティのみの更新プログラム”だけを適用している環境で発生する、以下のような事例が存在するという。

  • “セキュリティのみの更新プログラム”の適用後、印刷が失敗したり、32 bit アプリケーションが起動しなくなる
  • “セキュリティのみの更新プログラム”の適用後、一部の設定画面が開かなくなる
  • “セキュリティのみの更新プログラム”の適用を続けた環境で、C: ドライブの容量の枯渇が発生する
“セキュリティのみの更新プログラム”だけを適用すると、パッチが適用済みのモジュールと未適用のモジュールが混在する“つぎはぎ”状態が発生する

 “セキュリティのみの更新プログラム”は、何らかの理由で“マンスリー ロールアップ”を適用できない環境のための一時的な回避策などととして利用することが想定されている。また、“マンスリー ロールアップ”は“Windows Update”で自動配信されている関係上、グローバルで適用実績が圧倒的に多く、トラブルが発生しても原因の特定や対処が早期になされる可能性が高い。そのため、同社は“マンスリー ロールアップ”の適用を強く推奨している。

 なお、Windows 10/Server 2016以降の新しいWindowsは更新プログラムがシンプルになっているため、このような問題は基本的に発生しない。