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「Blender」でリアルタイム共同編集 ~Ubisoftが「Mixer」アドオンを正式公開

アニメ部門Ubisoft Animation Studioによるオープンソースプロジェクト

Ubisoft、「Blender」向けのアドオン「Mixer」を正式公開

 仏Ubisoftは4月21日(現地時間、以下同)、「Blender」向けのアドオン「Mixer」を正式公開した。複数の「Blender」ユーザーがネットワーク越しにシーンを共有し、3Dモデルのリアルタイムな共同編集を実現する。執筆時現在の最新版は、5月3日付けでリリースされたv1.0.1。

 「Mixer」は、「アサシン クリード」などで知られるゲーム会社Ubisoftのアニメ部門Ubisoft Animation Studioによるオープンソースプロジェクト(ライセンスはGPL 3.0)。シーンとそれに含まれるオブジェクトに対して行われた変更をリアルタイムで同期することが可能で、コラボレーションセッション中はそれぞれの参加者の視点を表示し、選択内容をハイライトする。

3Dモデルのリアルタイム共同編集を実現

 「Mixer」は「Blender」のアドオンとして開発されており、「Blender 2.92」で利用可能。開発とテストはWindows 10で行われているが、コミュニティユーザーからはLinuxでの動作も報告されている。[編集]-[プリファレンス]ダイアログの[アドオン]セクションから「Mixer」のZIP書庫ファイルをインストールすると、3Dビューポート右側に[Mixer]タブが追加される(タブバーが隠れている場合は展開ボタンを押して表示できる)。

[編集]-[プリファレンス]ダイアログの[アドオン]セクションから「Mixer」のZIP書庫ファイルをインストール
3Dビューポート右側に[Mixer]タブが追加

 共同編集はVPN接続などを利用すればインターネット越しでも行えるが、まずはローカルで2つの「Blender」インスタンスを立ち上げ、接続できるかテストすることが推奨されている。片側の「Blender」で[接続]ボタンを押すと「Python」製のサーバーが起動し、ルームの作成と参加が可能になるので、もう片方の「Blender」からも同じIPアドレスに接続し、同じルームに参加すれば、リアルタイムコラボレーションを始められる。

片側の「Blender」で[接続]ボタンを押すと「Python」製のサーバーが起動。ファイヤーウォールの警告が表示されたら許可しておく
もう片方の「Blender」からも同じIPアドレスに接続し、同じルームに参加す

 サーバーは基本的にアドオン内蔵のものを使えばよいが、スタンドアロンでも運用することが可能。この場合はPCに「Blender」がインストールされていなくてもよい。なお、サーバーとクライアントで同じ「Mixer」バージョンを利用する必要があるほか、「Python 3.7.4」でしかテストされていない点には意したい。

ソフトウェア情報

「Mixer」
【著作権者】
Ubisoft
【対応OS】
Windows 10(Linuxでの動作報告もあり)
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.1(21/05/03)