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Microsoft、「Windows 10X」の市場投入を断念 ~2019年発表の2画面PC向け新OS

開発過程で得られた技術は他の製品に応用

市場への導入を断念した「Windows 10X」

 米Microsoftは5月18日(現地時間)、「Windows 10 バージョン 21H1」の一般公開を発表した。その一方で、「Windows 10X」のリリースを断念することも併せて明らかにされている。

 「Windows 10X」は、2つのモニターをもつ折り畳み式PC向けに設計された「Windows 10」のバリエーション。2019年10月に発表され、2020年末発売予定の「Surface Neo」などにプリインストールされた状態で出荷されるはずだった。2画面対応がフォーカスされがちだが、OSとアプリの実行環境をコンテナーで隔離したセキュアなアーキテクチャーを採用するなど、野心的な設計になっていた点も特徴といえる。

 しかし、「Surface Neo」は結局出荷されず、同時に発表されたAndroid搭載の2画面折り畳み式デバイス「Surface Duo」も苦戦中のようで、日本にはまだ導入されていない。「Windows 10X」の機能を縮小し、シングルスクリーンデバイスへ搭載するという噂もあったものの、最終的には市場のニーズに合わないとしてキャンセルされたようだ。

 とはいえ、「Windows 10X」の開発がまったく無駄になったわけではない。同社によると「Microsoft Defender Application Guard」などの製品で用いられているアプリコンテナ技術や、強化された音声入力、モダンなタッチキーボードなどに「Windows 10X」の技術は応用されているという。