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「Google フォト」に新方式のシャープ・ノイズ除去 ~ほぼどんな画像もきれいに

カメラデバイスに依存しない、新しいアプローチ

「Google フォト」の「シャープ」と「ノイズ除去」

 米Googleは6月28日、「Google フォト」の画像編集機能に「シャープ」と「ノイズ除去」という2つの新しい調整ツールを統合したと発表した。スライダーを調整するだけで、手軽に画像を補正できる。

 写真がボケたり、ノイズがのる理由はさまざまだが、一般的には特定のカメラデバイスを想定し、その構造を理解してから対策を講じる方がはるかに容易だ。しかし、いつもそうした情報が得られるとは限らない。そこで同社はカメラデバイスに依存しない、新しいアプローチを採用したという。これならば、ほぼどんな画像でも品質を向上させることができる。

 その1つ目は、プル=プッシュ式(Pull-Push Method)のノイズ除去だ。ノイズ除去を局所的に行うには、局所的に類似した構造を持つピクセルを平均化(ぼかす)する方法が一般的だ。しかし、局所構造が似ているピクセルを総当りで探すのは、画像のサイズが大きければ大きいほど計算コストが膨大になっていく。そこでダウンサンプリングに類似する「プル」フィルターで粗いレベルごとにノイズ低減を行う。もっとも粗いレベルまで評価した後は、逆に「プッシュ」ステージでより「細かい」レベルのノイズ除去を反復していく。この際、「プル」で収集された類似性の情報が活用されることで、効率的な計算が行える。

プル=プッシュ式(Pull-Push Method)のノイズ除去

 もう一つは、シャープネスのためのアルゴリズムだ。シャープネスの低い、つまりボケた画像は、元の画像に対し「あるぼかし(ブラー)効果の集合」(ブラーカーネル)を適用した結果と考えられる。つまり、この「ブラーカーネル」がわかれば、逆の操作でボケのない画像が得られるだろう。一般に「シャープネス」と呼ばれているのは、他の画像の部分からの情報を考慮せず、局所的に輪郭を際立たせる処理で、場合によっては画質の悪化を招く。ブラーカーネルを使った処理であればその心配はないが、モバイルデバイスで実行するには計算量が多過ぎるのが難点だ。

ガウスブラーモデルとブラーカーネルの例

 しかし、目の前の画像は修復できないほどボヤけてはいないと仮定すれば、推定されたブラーを複数回再適用し、加算・減算することで、比較的容易にデブラー画像を生成できるという。この方法はブラー自体の適用回数が少ないため非常に高速で、モバイルデバイスでも十分実用に耐えるという。

推定されたブラーを複数回再適用し、加算・減算することでデブラー画像