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Apple M1にネイティブ対応した「Wireshark 3.5」開発版が公開

フリーの高機能パケット解析ツールの次期版に追加される機能を一足先に体験

「Wireshark」v3.5.0が公開

 「Wireshark」の次期バージョンv3.5.0が8月27日、開発版(Development Release)として公開された。64bit版Windows向けのポータブルアプリパッケージや、macOS Arm 64(Apple Silicon、M1)でネイティブ動作するバイナリが用意されるなど、さまざまな改善が加えられている。

 「Wireshark」は、Windows/Mac/Linuxなどをサポートするクロスプラットフォーム対応のネットワークプロトコルアナライザー。ネットワークに流れるさまざまなパケットの情報をリアルタイムで解析・調査できる。

 「Wireshark」は偶数のマイナーバージョンが安定版で、奇数のマイナーバージョンが開発版という位置づけになっている。「Wireshark 3.5」でテストされた機能は、大きな問題がなければ次期安定版「Wireshark 3.6」にそのまま導入される見込みだ。なお、「Wireshark 3.6」がリリースされると旧安定版「Wireshark 3.2」のサポートは打ち切られる。Windows 7/Server 2008 R2をサポートする「Wireshark」はメンテナンスされなくなるので注意したい。

64bit版Windows向けのポータブルアプリパッケージや、Apple M1搭載デバイスでネイティブ動作するバイナリを新たに用意

 「Wireshark 3.5」では、前述の改善に加え、Windows版インストーラーに「Npcap 1.50」が同梱される。そのほかにも「Event Tracing for Windows」(ETW)の読み込み、TCP通信の完全性を基準にした「tcp.completeness」フィルターがサポートされ、正規表現を用いてテキストファイルからキャプチャーをインポートする機能や、「Python」スタイルのリテラル文字列で表示フィルターを指定する機能が導入される。

Windows版インストーラーに「Npcap 1.50」が同梱

 また、「Wireshark 3.5」ではVoIPコールを再生するツール「RTP Player」が再設計され、多くの改善が行われた。このツールは[電話]-[RTP]-[RTPプレイヤー]から利用可能で、多数のストリームを連続して再生したり、プレイリストにストリームを追加・削除したり、再生された内容をマルチチャンネルの.au/.wavファイルに保存できる。

 「Wireshark」はWindows/Mac/Linuxなどに対応しており、現在「wireshark.org」から無償でダウンロードできる。Windows向け最新安定版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロード可能で、執筆時現在の最新版は25日付けでリリースされたv3.4.8となっている。v3.4.8における変更点は不具合の修正が中心。セキュリティ関連の修正はアナウンスされていない。

ソフトウェア情報

「Wireshark」Windows向け開発版
【著作権者】
Gerald Combs and contributors
【対応OS】
Windows 8.1/10およびWindows Server 2012/2012 R2/2016/2019
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.5.0(21/08/27)