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パケットの構造を可視化するダイアグラムビューを搭載した「Wireshark 3.3.0」

次期メジャーアップデートに搭載される予定の機能をテストするための開発リリース

「Wireshark」v3.3.0が公開

 オープンソースのネットワークプロトコルアナライザー「Wireshark」の開発版「Wireshark 3.3.0」が、9月15日(協定世界時)にリリースされた。次期メジャーアップデートに搭載される予定の機能が先行テストされる。

 「Wireshark 3.3」の目玉は、新たに導入されたパケットダイアグラム(packet diagram)画面だ。これは選択したIPパケットの構造をアスキーアート風に32バイトの長方形で可視化したもの。パケット詳細画面で選択されたフィールドをパケットダイアグラムでハイライトしたり、逆にパケットダイアグラムで選択したフィールドをパケット詳細画面でフォーカスすることも可能で、パケットの構造を学ぶときに役立ちそうだ。

選択したIPパケットの構造をアスキーアート風に32バイトの長方形で可視化したパケットダイアグラム

 パケットダイアグラムを有効化するには、[編集]-[設定]ダイアログで[外観]-[レイアウト]セクションにアクセスし、好みの表示部を“パケットダイアグラム”にセットする。表示部は3つしかないにもかかわらず、一覧・詳細・バイト列・ダイアグラムの4つが排他選択になっており、すべてを同時に表示できないのは玉に瑕だが、レイアウトとビューの柔軟性が増したのはうれしい改善と言えるだろう。

[編集]-[設定]ダイアログで[外観]-[レイアウト]セクション

 そのほかにも、非同期のDNS名前解決がデフォルトで有効化。プロトコル対応の拡充や、既存の対応プロトコルの改善なども行われた。また、Windows向けの実行ファイルとインストーラーはSHA-2だけで署名されるようになった。

 「Wireshark」はWindows/Mac/Linuxなどに対応しており、現在ソースコードとWindows/Mac向けのインストーラーが本ソフトの公式サイトから無償でダウンロード可能。また、Windows向け最新安定版のインストーラーは窓の杜ライブラリからもダウンロードできる。

 なお、「Wireshark 3.3」系統でテストされる機能は2020年第3四半期にリリース予定の「Wireshark 3.4.0」で一般公開される予定。これに伴い、「Wireshark 3.0」系統のサポートは打ち切られるので注意したい。

ソフトウェア情報

「Wireshark」Windows向け開発版
【著作権者】
Gerald Combs and contributors
【対応OS】
Windows 7/8/10およびWindows Server 2008 R2/2012/2012 R2/2016/2019
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.3.0(20/09/15)