ニュース

FTPサポートが完全に削除される「Chrome 95」がベータ版に ~UA文字列の削減も本格化

古いU2F APIも段階的に廃止

「Google Chrome 95」のベータ版

 米Googleは9月23日(現地時間、以下同)、「Google Chrome 95」のベータ版に追加された新機能を発表した。「Chrome 95」では、実験機能を試すための機能「Origin Trial」に以下の2つが追加された。

  • Access Handles for the File System Access API:ローカルファイルへのアクセスを簡略化するために導入される一連のAPIのファーストステップ(M98まで実施)
  • Reduce User Agent String Information:ユーザーエージェント(UA)文字列の削減を先行導入してWebサイトへの影響をテスト(M100まで実施)

 一方で、以下の要素が「Origin Trial」を卒業し、正式な機能として組み込まれる。

  • Secure Payment Confirmation:WebAuthnを活用してオンライン支払いの認証を手軽かつ安全にする
  • WebAssembly Exception Handling:WebAssembly内で例外を投げたりキャッチできるようにする開発者向け機能

 そのほかにも、Webアプリでカラーピッカーを実現するための「EyeDropper API」やライブラリ開発者がエラーの通知に使える「self.reportError()」が利用できるようになる。また、取得したURLのパターンマッチングに使える「URLPattern」は、これまで「Path-to-RegExp」ライブラリなどを用いてプラットフォームごとに独自で実装されてきた処理を統一できるAPIとして期待されている。

Webアプリでカラーピッカーを実現するための「EyeDropper API」

 一方で、「Chrome 95」ではFTPサポートが完全に削除されるので注意。「Chrome」のFTP機能はすでに廃止されており、「Chrome 88」以降は非推奨の試用機能フラグをONにした場合のみ利用できる状態であったが、とうとう完全に削除される。

 また、古いU2F APIが「Chrome 95」以降、段階的に廃止される。U2F APIは「Chrome」オリジナルのセキュリティキーAPIだが、「Chrome 67」でWeb Authentication APIが導入されたことにより、オープンなWeb標準になることなく非推奨化されていた。最終的な削除は2022年8月上旬に安定版リリースが予定されている「Chrome 104」で行われる。

 「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Android/Chrome OSに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。