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「Google Chrome」で脱「UA文字列」に向けたプロセスが再開 ~プライバシー保護を強化

移行期間を十分にとりつつ、7つのフェイズに分けて段階的に実施

公式ブログ「Chromium Blog」のアナウンス

 米Googleは昨年実行するはずだった、Webブラウザーの種類やバージョン、プラットフォーム(OS)などを特定するために使われている「ユーザーエージェント(UA)文字列」を段階的に削減する計画を再開したと発表した。

 昨年の発表直後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大などの影響で、計画はいったん凍結されていた。しかし、UA文字列の代わりとして提供されるAPI「UA-CH」(User-Agent Client Hints)が「Google Chrome 89」でロールアウトが開始されるなど環境が整ったとして、削減計画が再始動されることになった。

 UA文字列の削減は、7段階に分けて行われる予定。

  1. 削減の準備:「Chrome 92」からデベロッパーツール(DevTools)でJavaScript API「navigator.userAgent」、「navigator.appVersion」、「navigator.platform」の利用を警告
  2. 「Origin Trial」でUA文字列削減のテストを開始。テストは少なくとも6カ月間実施される
  3. 削減のロールアウト:より多くの移行期間が必要になる場合に備え、UA文字列の削減を無効化する「Origin Trial」を最低6カ月間提供(リバース Origin Trial)
  4. 「MINOR.BUILD.PATCH」を削減した「Chrome」を出荷。リバース Origin トライアルをオプトインしないデスクトップ・モバイルの「Chrome」ユーザーに適用される
  5. デスクトップでUA文字列を削減。リバース Origin Trialをオプトインしない限り適用される。JavaScript APIで取得できる情報も縮小
  6. モバイルでUA文字列を削減。リバース Origin Trialをオプトインしない限り適用される。JavaScript APIで取得できる情報も縮小
  7. 削減の完了:リバース Origin Trialが終了。すべてのページ読み込みでUA文字列の簡素化が実施される。JavaScript APIで取得できる情報も縮小

 なお、現時点ではAndroidの「WebView」やiOS版「Chrome」のUA文字列が変更される予定はない。