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Raspberry Piを内蔵したタブレット型端末「eduコン」がTGS2021に出展

他製品と組み合わせてプログラミング教育にも

学校教材や教育玩具を製造・販売するメーカー「アーテック」のブース

 9月30日から10月3日の4日間にわたり、東京ゲームショウ2021が開催された。コロナ禍の影響でオンライン開催となったが、来場者をプレスとインフルエンサーに限定した小規模なオフライン会場も幕張メッセで同時に開かれた。

 このオフライン会場に出展したアーテックは、学校教材や教育玩具を製造・販売するメーカー。今回はプログラミング教育に関連した商品をいくつか出展しており、本稿ではその中からタブレット型端末「eduコン」を紹介する。

「eduコン」展示コーナー

 「eduコン」は、7インチで1,024×600ドットのタッチパネルを搭載したタブレット端末。端末左側にアナログスティック、右側には4つのボタンを搭載しており、携帯ゲーム機のような外見をしている。

 CPUは「Raspberry Pi Compute Mobule 3+ Lite」を搭載。GPIOポートと3基のUSBポートも搭載する。つまり本機はRaspberry Piを搭載したタブレット型端末だ。本体に収納できるタッチペンも同梱。電源はUSB Type-Cによる給電のほか、単三電池6本でも動作する。

「eduコン」本体
GPIOポートと3基のUSBポートが使える

 本機は「eduコン」という名前のとおり、学校教育機関をターゲットにしている。しかし製品としてはRaspberry Piを搭載したタブレット型デバイスであり、何ら用途は限定されない。アーテックの担当者は本機の活用例として、カードリーダーやカメラと併用して出退勤管理システムに使えるとも話していた。

 ただこれも一例に過ぎず、本機に搭載された液晶やボタン類、USBポートなどを活用し、Raspberry Piで動作するプログラムを用意すれば、極めて幅広い用途が考えられる。それだけに「どこにどう売るべきか」という悩みも抱えているそうだ。

 会場では、「eduコン」の端末を用いて、同社のブロックトイ式ロボット「アーテックロボ」を制御するデモも用意されていた。こちらも面白い製品なので順序立ててご紹介したい。

「アーテックロボ」の製品「T.REX(ティーレックス)」。組み立て方次第では2足歩行も可能

 同社はブロックトイ「アーテックブロック」を販売している。一般的なブロックトイは縦方向にしか積み上げられないが、「アーテックブロック」は縦横どの方向にも自在にくっつけられるのが特徴。様々な形に組み立てられることから、自由な発想を生み出す知育玩具として注目されている。

 この「アーテックブロック」から、プログラムで制御できるロボットパーツを組み合わせて、稼働するロボットを組み立てられる「アーテックロボ」が派生。自分でロボットを組み立てつつプログラミングも学べるというスマートトイになっている。幼児期に遊んだブロックトイが、子供が成長した後にロボットのパーツとして再利用できるという流れはユニークだ。

 「eduコン」では「アーテックロボ」のプログラミングや制御もできるので、合わせて活用することも可能。「アーテックロボ」の利用に「eduコン」が必須なわけではないが、様々な製品が絡み合って開発されているのが教育・教材メーカーらしい発想と言える。

 製品は学校教材を扱う通販サイトなどで販売されている。先に述べたとおり、本製品の用途は何ら限定されていない。子供のプログラミング学習用端末としても活用できるだろうし、Raspberry Piに興味がある大人が使うガジェットにしても構わない。USB接続のキーボードやWi-Fiアダプタも使えるので、ガジェットとしても面白い端末になっている。

「eduコン」に接続された巨大な「アーテックロボ」
複数の配線を使い、かなり大がかりなロボットも制御できるのがわかる