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「Chrome」のバージョンが3桁になるとエラーが起きる? 「Chrome 96」ベータ版に試験機能フラグが搭載

[戻る]を高速化する「バックフォワードキャッシュ」がデスクトップ版にも導入

「Google Chrome 96」のベータ版

 米Googleは10月21日(現地時間、以下同)、「Google Chrome 96」のベータ版に追加された新機能を発表した。「Chrome 96」では、「バージョン 100」に備えた新しい試験機能フラグが追加されている。

 WebアプリがWebブラウザー(UA)の機能(API)を呼び出す場合、一般的には当該機能がWebブラウザーに備わっているかを事前にチェックしてから利用することが推奨されている。しかし、なかにはUAの名前やバージョンで条件分岐し、機能判定を行っているものもある。かつてUAのバージョンが1桁であることを前提にコードを組んでおり、2桁になったとき不具合を出したアプリがあったように、このようなコードは「Chrome 100」へバージョンアップした際に問題となる可能性がある。

 そこで、「Chrome 96」ベータ版には新しい試験機能フラグ「Force major version to 100 in User-Agent」(chrome://flags/#force-major-version-to-100)が追加された。これを有効化してWebブラウザーを再起動すれば、UAが返すバージョンが強制的に「100」となる。バージョンが2桁から3桁に増えるケースを想定したテストが行えるというわけだ。

UAが返すバージョンを強制的に「100」へ変更し、バージョンが2桁から3桁に増えるケースをテスト

 そのほかにも、「Chrome 96」では以下の2つが「Origin Trials」でテストされる。

  • Conditional Focus:(ビデオ会議などで)タブやウィンドウをキャプチャーして共有する際の、フォーカスの扱いを改善
  • Priority Hints:リソースを読み込むタグで優先度(importance)を指定し、読み込み順序を最適化

 さらに、CSSではパスワードなどの自動入力を行う際の挙動を指定できる「autofill」疑似クラス(:-webkit-autofill)や、フォントファミリーにグリフがないときにUAが斜字・太字などを合成できるかを制御する「font-synthesis」プロパティが導入される。

 また、以前のアクセスしたWebページをキャッシュして[戻る]ボタンを押したときの読み込みを高速化する「バックフォワードキャッシュ」がデスクトップ版にも導入された(Android版ではすでに利用可能)。DNSがHTTPSレコードに対応している場合、常にHTTPS経由でWebサイトに接続する機能なども追加されている。

 「Google Chrome」ベータ版はWindows/Mac/Linux/Android/Chrome OSに対応するフリーソフトで、現在、同社のWebサイトからダウンロード可能。Windows版は64bit版を含むWindows 7/8/8.1/10で利用できる。