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「PostgreSQL 15」が正式リリース ~「MERGE」コマンドに対応、パフォーマンスも向上
オープンソースのリレーショナルデータベース
2022年10月14日 16:42
The PostgreSQL Global Development Groupは10月13日、「PostgreSQL 15」をリリースした。オープンソースのオブジェクトリレーショナルデータベースシステム「PostgreSQL」のメジャーバージョンアップとなる。
「PostgreSQL 15」では、インメモリおよびオンディスクのソートアルゴリズムを改善。ソートされるデータ型によるが、ベンチマークで25%~400%のパフォーマンスアップが図られた。ウィンドウ関数も拡充されており、活用すればさらなる性能アップが見込める。また、アーカイブとバックアップでも処理速度の改善が図られており、WAL(write-ahead log)ファイルに対するLZ4/Zstandard(zstd)圧縮がサポートされた。
機能面では、SQL標準の「MERGE」コマンドへの対応が目玉。条件に応じてINSERT、UPDATE、DELETEアクションを行うSQLを1文で書くことができる。正規表現を使って文字列を検査する関数群も追加されており、他のデータベースサーバーとの互換性・移植性が向上した。
そのほかにも、ビューの作成者ではなく、呼び出し元の権限を使用してデータを問い合わせるビューを作成する「security_invoker」オプション、論理レプリケーションのより柔軟な管理、競合するトランザクションの再生をスキップする機能、エラーが検出された場合に自動的にサブスクリプションを無効にする機能、新しいロギング形式「jsonlog」などが追加された。
一方で、長い間非推奨だった排他的バックアップモードと「Python 2」対応は削除されている。権限の変更も行われており、「public」または「default」スキーマのデータベース所有者を除きオブジェクトを作成することはできない。
「PostgreSQL」はWindows/Mac/Linux/BSD/Solarisなどに対応しており、現在公式サイト「postgresql.org」から無償でダウンロード可能。Windows版インストーラーは64bit環境にのみ対応しており、EDBのWebサイトから入手できる。
ソフトウェア情報
- 「PostgreSQL」
- 【著作権者】
- The PostgreSQL Global Development Group
- 【対応OS】
- Windows/Mac/Linux/BSD/Solaris
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 15.0(22/10/13)