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「Bing」チャットがiOS/Androidウィジェット対応 ~「Edge」「Skype」などのモバイルアプリも一斉強化

デスクトップでのチャットをモバイルで継続する機能も提供へ

Microsoft、「Bing」のAIチャットのモバイル体験を強化

 米Microsoftは5月16日(現地時間)、「Bing」のAIチャットをアップデートすると発表した。モバイルでもデスクトップに匹敵する機能を導入するほか、「Bing」全体でビジュアルアップデートを実施する。今週から順次適用されていく予定。

 このアップデートでは、「Bing」の返答でビデオやナレッジカード、グラフが利用できるようになるほか、フォーマットの改善やソーシャル共有機能などが追加される。デスクトップとモバイルの両方で、「Bing」体験がよりリッチになる。

 また、チャット履歴がデスクトップとモバイルで展開される。モバイルでは既存のチャット上部にある時計アイコンから最近のアクティビティを見ることができるが、この機能がデスクトップでも近日中に利用可能になる予定。

 そのほかにも、以下のモバイルアプリで新しい機能が投入される。

「Bing」アプリ

 「Bing」は検索、「GPT-4」を用いたAIチャット、Webブラウジング、ニュースなどの機能を組み合わせたモバイルアプリ。iOSAndroidで利用できる。

 今週のアップデートではウィジェットがサポートされ、iOS/Androidのホーム画面から直接「Bing」とチャットできるようになる。マイクアイコンをクリックすると、口頭でも質問できるようになる予定。

「Bing」アプリでウィジェットがサポート。iOS/Androidのホーム画面から直接「Bing」とチャットできるように

 また、デスクトップでの会話をモバイルで継続する機能も提供される予定。デスクトップ版のメニューから電話アイコンを選択すると、モバイルアプリへ移行するためのQRコードが表示される。

 そのほかにも、音声入力や多言語チャットのサポートを強化。英語以外のチャットの品質も向上しているとのこと。

「SwiftKey」アプリ

 「SwiftKey」は、キーをなぞっていくだけで英文を入力できる「スワイプ入力」が特徴のインテリジェントなキーボード。ユーザーの好みを学習して入力候補を出してくれる絵文字キーボード、好みのデザインへカスタマイズできるテーマ機能なども備えている。対応OSはiOSAndroid

 このアプリにもAIが組み込まれており、他のアプリでテキストを入力する際に「Bing」で検索・チャットしたり、送信前にメッセージのトーン(フォーマル、カジュアルといった文体の雰囲気)を変えてもらったりすることができる。

 今回のアップデートではこれらの機能が拡張され、ユーザーが指定したトーン、フォーマット、長さなどを元に文章を生成する機能が追加される。文章が思いつかなくても、「SwiftKey」に文案を考えてもらうことができるわけだ。

デスクトップ版「Microsoft Edge」のサイドバーで使える「作成」(Compose)機能が「SwiftKey」アプリでも

 ちなみに、この機能はデスクトップ版「Microsoft Edge」のサイドバーでも利用可能だ。

 そのほかにも、AIベースの翻訳機能を搭載。「ウィット」と「ファニー」という新しいトーンが追加される。

「Edge」アプリ

 モバイル版「Edge」アプリでは、画面下部のツールバー中央にある「b」アイコンから手軽に「Bing」のチャット機能へアクセスすることが可能。

 これまで「Bing」のAIチャットは閲覧ページを参照しておらず、「このページをまとめて」といっても反応してくれなかったが、今回のアップデートではこの問題を解消した「コンテクスチュアルチャット」(Contextual Chat)がサポートされる。

 また、選択テキストをチャットへ送る機能も導入される予定。Webで検索するよりも、チャットに聞いた方が深い洞察が得られるかもしれない。

選択テキストをチャットへ送る機能

「Skype」アプリ

 「Skype」アプリでは、以前からアナウンスされていたグループチャット対応が全面展開される予定。

 友達感覚で「Bing」のボットをグループチャットへ加えておけば、「@bing」とメンションを送るだけでAIの知恵を借りることができる。話し合ったすべての選択肢をリストアップしてもらったり、別のアイデアがないかたずねたりするといった使い方が考えられるだろう。