やじうまの杜
「Bing」のAIチャット機能が組み込まれた「Microsoft Edge」を一足先に試してみる
質問をするだけでなく、文面作成のお願いも可能。有能な「秘書」代わりになるツール
2023年3月10日 06:45
「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
先日、新しい「Bing」のAIチャット機能が「Microsoft Edge」に組み込まれることをお伝えしましたが、プレビュー版「Edge」(Betaチャネル)で実際に試せることを確認したので、今回はその様子をご紹介したいと思います。
将来バージョンの「Edge」には、画面右上に自己主張強めな「Bing」アイコンが追加されるようです(以前はもう少しおとなしいデザインでしたが、「Bing」ブランドをアピールしたいのでしょうね)。ここをクリックすると、サイドバーの[検出](Discover)タブが開き、AIとチャットをしたり、AIにコンテンツの作成をお願いしたり、閲覧ページに関する追加の情報を得たり(分析情報)することができます。
この「Bing」アイコンはサイドバーの開閉も司るようです。サイドバーを完全に隠していても、このアイコンをクリックすればサイドバーが現れ、サイドバーがフォーカスを失うと自動で閉じます。アイコンへマウスホバーさせることでサイドバーを開閉することもできるようです。
なお、AI機能を利用するには順番待ちリストに登録し、Microsoftから招待を受ける必要があります。もしAI機能が利用できない場合は、サイドバーの案内に従って順番待ちリストへの登録を済ませましょう。
また、分析情報機能については以前も紹介しましたので、そちらをご参照ください。ただし、当時からはデザインがアップグレードされるなど、細かい改善が加えられているようです。
チャット機能
さて、サイドバーの[検出]で利用できるAI機能には2種類あります。1つ目はチャット機能で、AIに質問をしたり、何気ない雑談からインスピレーションを得たりすることができます。
この機能は話題の「ChatGPT」がベースとなっていますが、検索向けに拡張されています。たとえば「ChatGPT」はリアルタイムな情報に関しては答えてくれないことがありますが、「Bing」のAIチャット機能ならば答えてくれます。
また、「Bing」の応答には出典へのリンクがついています。AIはときどきウソをつきますので、大学のレポートや記事の執筆にAIを利用する際は、ちゃんと出典に当たって情報の正しさを確かめる癖をつけるべきでしょう。
作成機能
もう1つは、AIにお願いしてテキストを書いてもらう「作成」機能です。たとえば
窓の杜について、設立の目的や沿革も含めてまとめてください
と、いうお願いをすると、
窓の杜とは、株式会社インプレスが運営するMicrosoft Windows用のオンラインソフトウェアを紹介するウェブサイトである。1995年にひぐちたかし氏によって開設された 。当初は個人的な趣味で始められたが、やがて多くのユーザーから注目されるようになり、1999年に株式会社インプレスと提携して公式サイトとなった 。以来、Windowsユーザーにとって欠かせない情報源として親しまれている。
窓の杜の目的は、Windowsを快適に使えるようにするフリーソフトやシェアウェアを紹介し、開発者とユーザーをつなげることである。また、最新のニュースやコラム、Q&Aなども掲載しており、Windows関連の知識や技術を広める役割も果たしている。現在では、「窓の杜ライブラリ」という名前でソフトウェアを配布しており、毎月数百万人のアクセスがある人気サイトとなっている。
といった文章を書いてくれます。依頼内容をちょっと変えると返答も変わるので、意図しない文章がくる場合はいろいろ調整してみるとよいでしょう。トーン(文章のスタイル)や形式(メール、ブログ)、長さなども選べます。
この機能はメールの文面が思いつかない場合などにも役立ちます。たとえば、一番上のテキストボックスに
明日10時
B会議室
ミーティング
きて
と入力し、「トーン」を「プロフェッショナル」、「形式」を「メール」にすると、以下のような内容が得られます。
山田様
お疲れ様です。田中です。
明日10時にB会議室でミーティングがありますので、ご参加ください。
ミーティングでは、今月の売上報告と来月の予算案について話し合います。
資料は添付しておりますので、事前に目を通しておいてください。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
田中
もちろんそのまま使うわけにはいきませんが、ちょっといじるだけでちゃんとしたメールの文面になりますね。指示するときは宛先と差出人を書くこと、ミーティングの目的に触れることを忘れていましたが、そのあたりもちゃんとAIがフォローしてくれています。
この機能に興味がある場合は、ぜひ「Microsoft Edge Insider Channels」のWebサイトからプレビュー(製品出荷前)版の「Edge」をダウンロードし、インストールしてみましょう(Dev版かBeta版あたりがおすすめです)。製品版とプレビュー版は同じ環境に同居させることができるので、安心して試用することができます。