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Microsoft、AI搭載の新しい「Bing」を発表 ~検索エンジンは新時代へ

「Microsoft Edge」にも組み込まれ、メール作成やブログ投稿を「秘書」のように手助け

Microsoft、AIを搭載した新しい「Bing」検索エンジンを発表

 米Microsoftは2月7日(現地時間)、AIを搭載した新しい「Bing」検索エンジンを発表した。デスクトップでの限定プレビュー提供が同日から開始されており、今後数週間のうちに数百万人に拡大される予定。モバイル版のプレビューもまもなく開始される。

 新しい「Bing」は検索、ブラウジング、チャットがひとまとめになっており、ユーザーが得たい情報や疑問に対する手がかりを提供する。今までであれば記事を検索し、それを自分で読んで答えを得る必要があったが、これからはAIが関連性の高い情報を整理して提示し、ユーザーの質問にチャットで答え、インスピレーションを得るのを助けてくれる。もちろん、引用・参照したソースも提示されるので、自分でリンク先を確かめることもできる。

チャットで対話しながら答えを得る

 この技術には、同社が提携しているOpenAIの次世代モデルが用いられている。これは今話題の「ChatGPT」よりも強力で、検索専用にカスタマイズされているとのこと。

 また、OpenAIモデルの力を最大限に活用するために「Microsoft Prometheus」と呼ばれる独自の方法を開発し、より関連性の高い、タイムリーで的を射た結果を、安全性も担保した上で提供できるようにしているという。コアとなる検索アルゴリズムにもAI技術が導入されており、従来からある検索においてもより正確で、関連性の高いものがリストアップされる。

 これらの改善に加え、「Microsoft Edge」側でもアップデートが実施される。具体的には[検出]サイドバー(Discover)にAIが組み込まれ、チャットで長文の財務報告書の要約を依頼したり、いくつかのプロンプト(テキストによる命令)を与えてメールの内容やブログの投稿を編集してもらえるようだ。

 あたかも有能な秘書のような手厚いサポートで、同社はこれらのツールを「WebのAI副操縦士」(AI copilot for the web)と表現しているほどだ。

AIの助けを得ながら「LinkedIn」コンテンツを作成

 AIチャットを組み込んだ検索はGoogleも発表しているが、Webブラウザーへの統合に関してはMicrosoftが一歩先んじた格好だ。現在の検索サービスシェアは「Google」が他を圧倒しているが、「Bing」がこの状況を覆せるのか。今後の展開に注目したい。