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AIでビデオを鮮明に ~「Microsoft Edge」に「超解像度ビデオ」機能が導入へ
Canaryチャネルの半数に提供中
2023年3月6日 15:35
米Microsoftは「Microsoft Edge」に「超解像度ビデオ」(Video Super Resolution:VSR)という機能を導入する計画だ。現在、Canaryチャネルの半数に提供しているという。
同社はプレビュー版の「Edge」で画像の品質を向上させる「超解像度」という機能をテスト中だが、VSRはその対象を動画にまで広げたものだ。同社が研究中のAI技術を応用することでブロックノイズを低減したり、解像度をアップスケールすることが可能で、たとえば何年も前に撮られた古い動画を高画質で視聴したいといったニーズに応える。
また、オンラインでのビデオ視聴はデータ転送量が大きくなりがちだが、この技術はローカル側で画質の向上を図るため、帯域幅を犠牲にせずに済む。動画のストリーミングサービスの都合で画質に制限がかかっていても、鮮明でクリアなビデオを楽しむことができるだろう。
ただし、この機能にはそれなりの計算量が必要とされるため、VSRが利用できるのは以下の条件を満たす場合だけだ。
- NVIDIA RTX 20/30/40シリーズまたはAMD RX5700~RX7800シリーズのGPUを搭載している
- 動画の解像度は720p未満
- AC電源に接続されている。
- 映像の縦横が192ピクセル以上ある
- 動画が「PlayReady」や「Widevine」などのデジタル著作権管理技術で保護されていない(保護されたビデオのフレームは、処理できないため)
VSRが利用できる場合は、アドレスバーに[HD]というアイコンが表示される。
複数のGPUを搭載したノートPCの場合、内蔵GPUではVSRを利用できないが、「Edge」に外部GPUの利用を強制することで利用可能となる。いずれは自動で切り替わるようにしたいとのことなので期待したい。
なお、Canaryチャネルの「Edge 112」を利用しているにも関わらず、VSRが有効になっていない場合は、以下のアドレスへアクセスし、試験的機能を有効化すればよい。
edge://flags/#edge-video-super-resolution
設定を反映させるには、Webブラウザーの再起動が必要だ。