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クラウドと機械学習で代替テキストのない画像に説明を付与 ~「Microsoft Edge」に新しいアクセシビリティツール
スクリーンリーダーを頼りにコンテンツを閲覧するユーザーのための支援機能
2022年3月18日 13:00
米Microsoftは3月17日(現地時間)、「Microsoft Edge」に新しいアクセシビリティ機能を追加したと発表した。代替テキストのない画像に「Edge」が自動で説明を付与し、スクリーンリーダーがWebコンテンツを読み上げるときに提供するというものだ。
代替テキスト(altテキスト)とは、なんらかの理由でコンテンツを表示できないときに代わりに表示される説明文のこと。目に障害を抱えるユーザーがスクリーンリーダー(読み上げソフト)を頼りにコンテンツを閲覧する場合に用いられるということもあり、Webコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)では非テキストコンテンツにはかならず付与するよう求めている。
しかし、この原則はかならずしも守られているとは限らない。そこで、最新の画像認識技術を用いて代替テキストのないコンテンツに説明文を付与してしまおうというのが、今回導入されたアクセシビリティ機能だ。「Edge」のアクセシビリティ設定に追加された[スクリーン リーダー用に Microsoft から画像の説明を取得する]オプションを有効化すると、スクリーンリーダーの利用時に「Edge」が代替テキストのない画像ファイルを見つけると、それを「Azure Cognitive Services」(Vision API)に送信し、内容を解析して読み上げられるようにする。
この処理は一般的なWeb画像のフォーマット(JPEG、PNG、GIF、WEBPなど)を一通りサポートされており、5つの言語で要約を作成するとともに、120以上の言語で画像に含まれるテキストを認識・抽出する。ただし、以下のタイプの画像はVision APIに送信されなかったり、スクリーンリーダーに読み上げられない場合がある。
- Webサイトの作成者が「装飾」としてマークした画像。ただの飾りなので、意味はなく、したがってスクリーンリーダーは読み上げない
- 50×50ピクセル以下の画像(アイコンサイズ以下)
- 過度に大きな画像
- Vision APIによって、ポルノ的性質、グロテスク、または性的に示唆に富むものとして分類された画像
また、右クリックメニューから代替テキストの自動生成を常に行うか、指定したときだけ行うかを制御することもできる。
この機能は本日より、デスクトップ版「Edge」(Windows、MacおよびLinux)で利用可能。残念ながらモバイル版(iOS/Android)はまだサポートされていない。同社は今後も本機能を改善していくとしているので、品質の向上とモバイル版のサポートにも期待しよう。
なお、代替テキストは本来Webサイトの作成者が提供すべきであり、自動生成に頼るべきではない。コンテンツの意味を知っているのは、その提供者のみだからだ。あくまでもこの機能は補助として用いるべきであり、コンテンツの提供者が代替テキストを用意しない理由にはならない点には注意したい。