ニュース

「Windows Community Toolkit 8.0」が発表、名前空間を大整理して開発・保守を簡素化

コミュニティ主導で開発されているオープンソースのUIライブラリ

Microsoft、「Windows Community Toolkit」v8.0を発表

 米Microsoftは9月7日(現地時間)、「Windows Community Toolkit」v8.0を発表した。

 「Windows Community Toolkit」は、コミュニティ主導で開発されているオープンソースのユーザーインターフェイスライブラリ。「WinUI 2」、「WinUI 3」、「Uno Platform」で利用できる追加のコントロールやレイアウト、アニメーション、ヘルパー、標準コントロールの拡張(Extensions)が含まれており、標準ライブラリに欠けている機能を補うことができる。

 今回のアップデートは、開発や保守を容易にするため、名前空間とパッケージ構成が大きく変更されている。従来のパッケージ構成は、以下のようになっていた。

  • Microsoft.Toolkit.Uwp.UI.*:UWPパッケージ
  • CommunityToolkit.WinUI.UI.*:「Windows App SDK」のパッケージ

 これが「Windows Community Toolkit 8.0」で「Windows App SDK」に合わせて整理された。

  • CommunityToolkit.Uwp.*:UWP、「WinUI 2」、「Uno Platform」
  • CommunityToolkit.WinUI.*:「Windows App SDK」、「WinUI 3」、「Uno Platform」

 これにより、複数のプラットフォームをターゲットとしたり、プラットフォーム間で移植を行う開発者は、ソースを変更することなく「Windows Community Toolkit 8.0」で書かれたコードを簡単に移行できるようになる。名前空間の階層も一段減り、よりシンプルだ。

 一方で、一部の機能は残念ながらこのバージョンでは移行が完了していない。プラットフォームの制限や未実装のAPIにより、すべてのプラットフォームで利用できないものもある。すでに「Windows Community Toolkit」を使っている場合は、アップグレードの前にリリースノートを入念に確認しておきたい。「Windows Community Toolkit」ではなく、「Windows App SDK」へ移管された機能も少なくない。

 新機能として挙げられているのは、以下の通り。

  • サンプルアプリ「Windows Community Toolkit Gallery」が一新。現在、「Microsoft Store」から無償でダウンロード可能
    「Windows Community Toolkit」に含まれる要素をチェックできるサンプルアプリ「Windows Community Toolkit Gallery」
  • 「GridSplitter」をオーバーホール。「ContentSizer」と「PropertySizer」という2つの新しいコントロールが導入された
  • ヘッダー付きツリービュー
  • 設定コントロール。モダンアプリの設定画面を簡単に構築できる
  • アプリ内通知を提供するコントロール
  • 既存のコントロールを新しい描画処理で一新。「WinUI」と互換性のあるブラシ、スタイルを用いるようになり、アクセシビリティ(a11y)要件も満たす
「Windows Community Toolkit 8.0」の新要素