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「Windows Community Toolkit 8.0」が発表、名前空間を大整理して開発・保守を簡素化
コミュニティ主導で開発されているオープンソースのUIライブラリ
2023年9月11日 15:08
米Microsoftは9月7日(現地時間)、「Windows Community Toolkit」v8.0を発表した。
「Windows Community Toolkit」は、コミュニティ主導で開発されているオープンソースのユーザーインターフェイスライブラリ。「WinUI 2」、「WinUI 3」、「Uno Platform」で利用できる追加のコントロールやレイアウト、アニメーション、ヘルパー、標準コントロールの拡張(Extensions)が含まれており、標準ライブラリに欠けている機能を補うことができる。
今回のアップデートは、開発や保守を容易にするため、名前空間とパッケージ構成が大きく変更されている。従来のパッケージ構成は、以下のようになっていた。
- Microsoft.Toolkit.Uwp.UI.*:UWPパッケージ
- CommunityToolkit.WinUI.UI.*:「Windows App SDK」のパッケージ
これが「Windows Community Toolkit 8.0」で「Windows App SDK」に合わせて整理された。
- CommunityToolkit.Uwp.*:UWP、「WinUI 2」、「Uno Platform」
- CommunityToolkit.WinUI.*:「Windows App SDK」、「WinUI 3」、「Uno Platform」
これにより、複数のプラットフォームをターゲットとしたり、プラットフォーム間で移植を行う開発者は、ソースを変更することなく「Windows Community Toolkit 8.0」で書かれたコードを簡単に移行できるようになる。名前空間の階層も一段減り、よりシンプルだ。
一方で、一部の機能は残念ながらこのバージョンでは移行が完了していない。プラットフォームの制限や未実装のAPIにより、すべてのプラットフォームで利用できないものもある。すでに「Windows Community Toolkit」を使っている場合は、アップグレードの前にリリースノートを入念に確認しておきたい。「Windows Community Toolkit」ではなく、「Windows App SDK」へ移管された機能も少なくない。
新機能として挙げられているのは、以下の通り。
- サンプルアプリ「Windows Community Toolkit Gallery」が一新。現在、「Microsoft Store」から無償でダウンロード可能
- 「GridSplitter」をオーバーホール。「ContentSizer」と「PropertySizer」という2つの新しいコントロールが導入された
- ヘッダー付きツリービュー
- 設定コントロール。モダンアプリの設定画面を簡単に構築できる
- アプリ内通知を提供するコントロール
- 既存のコントロールを新しい描画処理で一新。「WinUI」と互換性のあるブラシ、スタイルを用いるようになり、アクセシビリティ(a11y)要件も満たす