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Microsoft、「Windows App SDK 1.4」を公開 ~「XAML Islands」が試験機能を卒業

C++ Win32アプリでモダンなコントロールを利用できる

「Windows App SDK」のリリースノート

 米Microsoftは8月31日(日本時間)、「Windows App SDK 1.4」をリリースした。本バージョンでは「XAML Islands」が試験的機能を卒業し、正式な機能として提供されるようになった。

 「Windows App SDK」(旧称:Project Reunion)は、Windowsデスクトップアプリケーションをターゲットとしたアプリ開発キット。「WinUI 3」や「WebView2」などを含んでおり、開発プラットフォーム(C++/.NET、Win32、WinForms、WPF、UWP)を問わず「Fluent Design」に基づいたモダンなデスクトップアプリのUIを設計できる。OSの新機能を古いバージョンでも利用できるようにする後方互換性にも注力されており、新規のアプリ開発はもちろん、古いアプリのUIをモダナイズしたり、最新機能の一部だけを取り込んだりといった用途にも利用できる。

 今回試験機能を卒業した「XAML Islands」は、もともと「Windows App SDK」「WinUI 3」が提供するモダンなXAMLコントロールを既存のWin32アプリに埋め込める(ホストできる)ようにした機能。現在はXAMLにとらわれない「ContentIslands」技術として抽象化されており、コンテンツホストに必要な情報を提供するヘルパークラスや簡単にアイランドを利用できるようにしたラッパーメソッド、アイランドシナリオに対応した新しいドラッグ&ドロップマネージャーなどが追加されている。

 なお、「XAML Islands」「ContentIslands」は現在のところ、C++アプリのみでテストされている。現状、WPFやWinFormのためのラッパー要素はないが、いずれ実装されるものとみられる。

 そのほかにも、新しいコレクションコントロール「ItemsView」の追加やアクリル・マイカ効果の使い勝手向上、ウィジェットの拡充などが行われている。

 「Windows App SDK」は「Visual Studio 2022」(推奨)または「Visual Studio 2019」に含まれており、.NETデスクトップ開発、C++によるデスクトップ開発、ユニバーサル Windows プラットフォーム開発の各ワークロードで利用できる。すでに利用している場合は、パッケージ管理システム「NuGet」でアップデートが可能。

「Windows App SDK」NuGetパッケージの詳細ページ