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Rustに特化した統合開発環境「RustRover」をJetBrainsが発表 ~プレビュー中は無償

「IntelliJ IDEA」で定評のある開発生産性をRustにも

JetBrains、プログラミング言語「Rust」用の統合開発環境(IDE)「RustRover」を発表

 チェコのJetBrainsは9月13日(現地時間)、プログラミング言語「Rust」用の統合開発環境(IDE)「RustRover」を発表した。早期アクセスプログラム(EAP)が同日より開始されており、パブリックプレビュー期間中は無償で利用できる。

 JetBrainsはさまざまなプログラミング言語に特化した高機能なIDEを提供しており、「IntelliJ IDEA」(主にJava向け)や「CLion」(C/C++用)であればプラグイン機能でRust開発にも対応させることができる。しかし、Rust専用のIDEはこれまでなく、開発者からは「RustのIDEはいつ出すの?」という質問が多く寄せられていたという。

 「RustRover」はそうした声に応え、満を持して発表されたRust専用のIDEだ。「IntelliJ IDEA」で定評のある生産性機能はそのまま、Rustとそのエコシステムに特化している。構文ハイライトやコード入力補完、リファクタリング支援、高度なテスト・デバッグはもちろん、ビルドシステム「Cargo」のサポートもビルトインされている。「Git」や「GitHub」といったバージョン管理システムや、「Docker」や「WSL」を利用したリモート開発にも対応する。

「IntelliJ IDEA」で定評のある生産性機能はそのまま、Rustとそのエコシステムに特化

 「RustRover」はWindows/Mac/Linuxに対応し、Windows版は「Windows 10 バージョン 1809」「Windows Server 2019」およびそれ以降で利用可能(64bit版のみ)。8GBのメインメモリ、SSDの搭載が推奨されている。

 「RustRover」の正式リリースは確定していないが、同社は2024年9月までにリリースしたいとしている。無償での提供は最長でも2024年9月までとなる。他の多くの同社製IDEと同様、「RustRover」の機能も「IntelliJ IDEA」と「CLion」のプラグインとして利用可能で、これもプレビュー中は無償提供される予定(プラグインの製品化については未定)。その後は、事業の持続可能性を確保するために商用プランで提供される。

 一方で、既存のオープンソースプラグインは開発終了となるようだ。IDEとの互換性維持には最善を尽くすとしているが、新しい機能の追加や不具合の修正は基本的に行われず、クローズドソースの「RustRover」に注力する考えだ。オープンソースへの関わりという点では一歩後退だが、同社はRust Foundationへの参加を表明し、Rustコミュニティの取り組みを支援していくとしている。