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「Python 3.12」が正式版に ~言語機能の強化で使い勝手向上、エラーもわかりやすく

「Microsoft Store」にも「Python 3.12」バイナリが追加

「Python 3.12.0」が正式リリース

 スクリプト言語「Python」の新しい年次リリース「Python 3.12」が、10月2日に正式リリースされた。多くの新機能と最適化が含まれている。

 「Python 3.12」では、主に使い勝手の向上を目的とした言語機能の強化が行われている。たとえば「f-string」(フォーマット文字列リテラル)は以前のバージョンにあった制限が緩和され、任意の有効なPython式を含められるようになった。コメントやエスケープシーケンスなども埋め込むことができる。型チェックに関しても、ジェネリッククラスに新構文が追加されたり、オーバーライドを明示するデコレーター(@override)を導入するなど、いくつかの改善が施された。

 そのほかにも、エラーメッセージも改良されている。たとえば「NameError」が発生した場合、標準ライブラリであれば「もしかしてインポートし忘れていないか?」と助言してくれるようになる。シンタックスエラーやインポートエラーでも、できる範囲でこの「もしかして」メッセージが表示される。

 ライブラリ関連の変更は、非推奨APIの整理に重点が置かれている。標準ライブラリからは「distutils」「smtpd」パッケージが削除されたほか、Unicodeでも長年の非推奨要素が取り除かれ、メモリ使用量と実行時のオーバーヘッドが改善された。「os」と「pathlib」のファイルシステムサポートでも多くの改善が行われており、いくつかのモジュールでパフォーマンスが向上しているとのこと。

 「Python」は1991年、オランダ出身のプログラマーGuido van Rossum氏によって考案されたクロスプラットフォーム対応のインタープリター型プログラミング言語。コードブロックを字下げ(インデント)で表現する文法が特徴で、可読性が高いコードをコンパクトに記述できる。さまざまな用途に利用できる汎用言語だが、近年は機械学習の分野で著しい普及を見せている。

 バイナリは現在、公式サイト「python.org」から無償でダウンロード可能。Windows 10/11向けは「Microsoft Store」からも入手できる。

Windows 10/11向けは「Microsoft Store」からも入手できる