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HTC、ベースステーション不要の新型フルトラッカー「VIVEトラッカー(Ultimate)」を発売

価格は1台31,000円で最大7時間駆動、「VIVE XR Elite」などに最適化

「VIVEトラッカー(Ultimate)」

 HTC NIPPON(株)は11月29日、オールインワンXRヘッドセットおよびPC VRストリーミング向け新型フルトラッキングシステム「VIVEトラッカー(Ultimate)」を発売した。価格は1台31,000円。vive.comにて期間限定のバンドルオファーも実施されている。

 「VIVEトラッカー(Ultimate)」は、体や身の回りの道具などにつけて、それらの位置や動きをバーチャル空間に読み込むためのデバイス「トラッカー」の新型モデル。コンパクトでマルチな用途に使用できる「セルフトラッキング」を搭載している点が大きな特徴だ。

 重量は94gで、バッテリー駆動時間は最大7時間。2.4GHzおよび5GHzのWi-Fiを使用し、動作距離は最大10メートルとなっている。

トラッカーを装着することで、位置や動きをバーチャル空間に読み込むことができる

 従来の「VIVEトラッカー3.0」では、外部からの赤外線を受けて位置や動きを読み取る、アウトサイドイン方式を採用していたため、使用する際は室内に「ベースステーション」というデバイスを設置する必要があった。

精度の高いトラッキングに必要だったベースステーション(画像は「SteamVR Base Station 2.0」のもの)

 だが、本機は、トラッカーに搭載された2台の広角カメラとコンピュータビジョンを使って計測するインサイドアウト方式を採用しているため、ベースステーションは不要に。これにより、トラッキングできる場所やシチュエーションの幅が広がり、映画やゲームのモーションキャプチャー、VRトレーニング、「VRChat」でのダンスなど、より広い用途で利用できるようになった。

 「VIVEトラッカー(Ultimate)」は、ヘッドセットあたり最大5台まで同時に使用できる。また、ユーザー独自のカスタムマウントを設計できるよう、標準の1/4インチ-20 UNCマウントを使用。ポゴピンインターフェースを備え、多様なオブジェクトに取り付けできる。

 現時点での対応デバイスは「VIVE XR Elite」および「VIVE Focus 3」となっており、PC不要でトラッキングが可能。OpenXR、SteamVRベースのPC VRセットアップへのサポートも今後提供される予定だ。

 なお、同社が明らかにしたロードマップによると、将来的にはSteamVRと完全に独立して動作し、ヘッドセットが存在しない状態で人や物の動きをトラッキングできるようになる予定だという。SteamVRへの接続サポートは、今後数週間でベータ版として提供される予定とのことだ。

「VIVEトラッカー(Ultimate)」の基本スペック

  • 重量:94g
  • バッテリー駆動時間:最大7時間
  • 通信:2.4GHzおよび5GHz Wi-Fi、動作距離は最大10メートル
  • トラッキング方式:6DoFインサイドアウトトラッキング