ニュース

「Tera Term 5.1」が公開 ~SSHプロトコルで発見された脆弱性「Terrapin Attack」に対処

来年で30周年を迎える老舗のリモートログオンクライアント

「Tera Term 5.1」

 「Tera Term 5.1」が、12月19日にリリースされた。SSHプロトコルで発見された脆弱性「Terrapin Attack」(CVE-2023-48795)に対処したセキュリティアップデートとなっている。

 「Tera Term」は、寺西高氏によって開発された老舗のリモートログオンクライアント(初版は1994年2月24日)。当初はWindows 3.1で動作する16bitアプリだったが、その後さまざまな開発者による協力を得て、32bit化やSSH対応、UTF-8のサポートなどが行われた。現在ではTeraTerm Projectの下、オープンソースアプリとしてメンテナンスされている。対応OSはWindows 7以降で、バイナリの配布は「GitHub」で行われている(後述の誤検知の件が解消されれば、窓の杜ライブラリからもダウンロード可能になる見込み)。

 今回対処された「Terrapin Attack」(CVE-2023-48795)は、特定の状況下で中間者がメッセージを挟むことでシーケンス番号を操作し、SSH通信路の完全性(Integrity)を破ることができるという攻撃手法。最悪の場合、中間者がサーバーまたはクライアントが送信したEXT_INFOメッセージを削除し、安全性を高める拡張機能を無効にすることができる。

 最新の「Tera Term 5.1」「Tera Term 4.108」は、この攻撃を回避するために考案された「strict key exchange」(厳密な鍵交換)という拡張機能をサポートしている。本拡張機能を利用するにはサーバー側のサポートも必要となるが、まずはクライアントだけでも対応済みのものを使うようにしたい。

 なお、編集部にて確認したところ、「GitHub」のリリースページで公開されているバイナリの一部が「Microsoft Defender」によってマルウェア(Win32/Wacapew.C!ml)として検出されることを確認している。おそらく誤検知と思われるが、利用の際は注意してほしい。

「Microsoft Defender」によってマルウェア(Win32/Wacapew.C!ml)として検出される

ソフトウェア情報

「Tera Term」
【著作権者】
TeraTerm Project
【対応OS】
Windows 7/8/10/11およびWindows Server 2012/2012 R2
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
5.1(23/12/19)