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「GIMP 3」に向けた最終開発版「GIMP 2.99.18」がリリース ~フリーの画像編集ソフト
機能はこれで確定、あとは安定性向上が残るのみ
2024年2月22日 16:20
フリーの画像編集ソフト「GIMP」の最新安定版v2.99.18が、2月21日に公開された。「GIMP 3」のリリースに向けた最終の開発版になるという。
「GIMP」は、オープンソースの画像編集・処理ソフト。Windows/Mac/Linuxなどに対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在同プロジェクトの公式サイトからダウンロード可能。Windows版はWindows 7以降に対応しており、窓の杜ライブラリや「Microsoft Store」からも入手できる。昨年8月からは「Windows on Arm」でネイティブ実行できるバージョンも試験的に提供されている。
「GIMP 3」は過去最大のアップデートとなる見込みだが、今回リリースされた「GIMP 2.99.18」でようやく機能が凍結された。今後は「GIMP 3」の正式リリースに向け、不具合の修正に開発リソースを集中する。
「GIMP 3」では、以下の改善が盛り込まれる予定だ。
- スペースインベージョン(Space Invasion):「GIMP」のカラーマネジメントの簡素化と改善を目指したプロジェクトのコードネーム。「GIMP」での色表現がより正確に
- カラーアルゴリズムの改善
- 非破壊編集の初期実装:ぼかしなどのエフェクトがすぐレイヤーに反映されてしまい、あとで設定を変更したり、並び変えたり、フィルターを削除するのが困難な現状を改善。GUIを持つすべての「GEGL」(「GIMP」の画像処理エンジン)操作が非破壊的にレイヤーに適用されるように
- フォント処理の改善:「GIMP」でのテキスト処理の信頼性が格段に向上
- レイヤーの自動展開:ブラシツールの新オプション。有効化してレイヤーの境界を越えてペイントすると、レイヤーの境界が自動的に拡大されるため、レイヤーサイズを自分で管理する必要がなくなる
- 新しいスナップオプション:キャンバス上のレイヤーを揃えるのが楽に
- テーマ:テーマシステムを再編成・簡素化。Windows版ではメインタイトルバー(およびほとんどのダイアログタイトルバー)が、選択したテーマに応じてライトモードまたはダークモードに調整されるように
- ウェルカムダイアログ:パーソナライズ・作成・貢献・リリースノートの4セクションを追加
- ファイル形式:Farbfeld、Esm Software PIX、HEJ2などの新形式をサポート。既存の対応フォーマット(PSP、PSD、PNG、GIFアニメーションなど)に関しても改善
- Waylandタブレットパッドへの対応
- APIの拡充
「GIMP 2.99.18」は現在、開発版のダウンロードページから入手可能。「スペースインベージョン」に代表される大規模な変更が加わっているので、安定性はあまり期待できない点には注意しよう。アプリがクラッシュしたら、積極的に報告して開発に貢献したい。
ソフトウェア情報
- 「GIMP for Windows」
- 【著作権者】
- Spencer Kimball、Peter Mattis and the GIMP Development Team
- 【対応OS】
- Windows 7以降(編集部にてWindows 10で動作確認)
- 【ソフト種別】
- フリーソフト(寄付歓迎)
- 【バージョン】
- 2.99.18(24/02/21)