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「Opera」の次期メジャー更新「Opera One R2」が開発者向けに提供開始

画像・動画体験を中心に据え、最新のAI機能とタブ管理を盛り込んだ意欲作

Opera、最新のAIツール「Aria」と直感的なタブ機能、動画・音楽を楽しむための新機能を詰め込んだメジャーアップデート「Opera One R2」の提供を開発者向けに開始

 ノルウェーのOpera Softwareは6月26日(現地時間)、「Opera One R2」の提供を開発者向けに開始した。最新のAIツール「Aria」と直感的なタブ機能、動画・音楽を楽しむための新機能を詰め込んだメジャーアップデートだ。

ブラウジングの最前線にマルチメディア

 現代のブラウジングはマルチメディアコンテンツが中心だ。楽曲のストリーミングサービスを利用するユーザーの数は過去最高で、世界のインターネットトラフィックの3分の2以上はビデオコンテンツで占められている。

 そこで、「Opera One R2」ではマルチメディア管理機能が中心に据えられる。閲覧中・作業中のタブから離れることなく、サイドバーのアイコンで楽曲の再生を自在にコントロールしたり、ビデオ再生や通話の際に自動で音楽再生を中断したり、通話の終了で一時停止した再生を再開したりできる。

 さらにポップアウト動画プレイヤーのデザインも一新され、ウィンドウのサイズ変更などがサポートされる。「Opera」の「Multithreaded Compositor」アーキテクチャーでUIの複数のスレッドを並行してレンダリングできるため、応答性が損なわれることもない。

ブラウジングの最前線にマルチメディア

 加えて、「Opera One R2」ではダイナミックな背景やアニメーション、サウンドエレメントを使用した新しいテーマも提供される。Webブラウザーの外観はもちろん、サウンドまでを完全にコントロールできるようになり、ユーザーはWebブラウザーを思い通りにカスタマイズできる。

AIエンジン「Aria」

 「Aria」は1年前「Opera One」で初めて導入されたAI機能で、GoogleやOpenAIの大規模言語モデル(LLM)を「Opera」へ接続し、コンテンツの要約、レポートの作成、ドキュメントの翻訳、旅行やイベントの計画など、さまざまな作業を手伝ってくれる。

 「Opera One R2」ではこの「Aria」を拡充させ、画像生成や音声出力などにも対応させるとのこと。たとえば、手書きの数学の問題が映った写真を読み取って、数式を解いてもらったり、画像に何が映っているのかを識別し、それに関する詳細な情報を提供してもらえる。

タブ管理の刷新

 タブ管理にも改善が加えられ、「Opera One R2」では2つのタブを並行して同時に開くスプリットスクリーン機能が導入される。2つのドキュメントを比較しながら作業したり、参考となる資料を開きながらデザインしたりといった用途に役立つだろう。タブをスプリット(分割)するには、非アクティブなタブを下のほうへドラッグするだけだ。画面を仕切る分割バーは左右にドラッグ可能で、サイズも自由に調整できる。

2つのタブを平行して同時に開くスプリットスクリーン機能

 加えて、最近アクセスしたタブに「痕跡」を残す機能も導入される。これはタブの新しさ、古さを視覚的に表現したもので、タブを大量に開いているユーザーに役立つという。タブに「絵文字」を追加して、用途や感情を加えるといった機能も導入される。

 以上の機能は、「Opera Developer」で段階的に展開される。インストールしてもすぐに利用できるわけではないが、最新機能に興味のあるユーザーは試してみてもよいだろう。