ニュース

「Windows 11 バージョン 24H2」ではシステム更新がより高速に、Microsoftが解説

UUP改善を「Microsoft Edge」に適用することで、容量も一部環境で約200MB削減

公式ブログ「Windows IT Pro Blog」

 「Windows 11 バージョン 24H2」では、アップデートの仕組みが大きく改善されているとのこと。その詳細が米国時間10月22日、公式ブログ「Windows IT Pro Blog」に掲載された記事で解説されている。

 Windowsには多くのファイルが含まれているが、それらはコンポーネントとしてグループ化されている。パッケージには他のパッケージが含まれていることもあり、たとえばトップレベルのパッケージにOSエディション(Home、Pro……)に必要なすべてのファイルがグループ化したものだ。こうしたコンポーネント、パッケージおよびエディションの関係はメタデータファイルに記述されており、「マニフェスト」と呼ばれる。

 「Windows 11 バージョン 24H2」は、以前のOSのクライアントサービススタックと比較し、月例パッチをインストールする方法にいくつかの改善が加えられている。

  • コンポーネントマニフェストの並列処理
  • コンポーネントマニフェスト初回読み取りと解析の後、結果をキャッシュすることで以後の繰り返しを高速に
  • 可能ならばマニフェストキャッシュをより多くメモリで保持。そうでなければ少ないメモリで動作するスケーラブル設計に

 その結果、毎月適切にパッチをあてる典型的なシナリオで「バージョン 22H2」と比較した結果、インストール時間が45.6%、再起動にかかる時間が39.7%、「Windows Update」のCPU利用時間は15.3%も削減されたという。

 次に、18カ月前のパッチが適用されたデバイスをアップデートするというシナリオでもテストしたところ、同じような結果が得られた。

 これは「Windows 11 バージョン 22H2」で初めて導入された、同社開発のアプリの再設計と条件付きダウンロードによるものが大きい。システムアプリはWindowsの月例パッチでアップデートされるが、他のインボックス(OS同梱)アプリ――メール、カレンダー、メモ帳など――は「Microsoft Store」経由で更新される。そのため、OS本体のアップデート処理は軽減される。

 また、Windows 10から導入されている新しい更新プログラムの配信技術「Unified Update Platform」(UUP)で、システム以外のアプリでも構造の再設計が行われた。

 この再設計は「バージョン 22H2」で初めて実施され、機能更新プログラムを適用する前に「Microsoft Store」を通じてインボックスアプリがより新しいバージョンへアップデートされていた場合、機能更新プログラムの適用中に行われるインボックスアプリのアップデート要求はスキップされる。アプリは必要な場合にのみ条件付きでダウンロード・インストールされるため、ダウンロード時間を大きく節約できる。

 「バージョン 24H2」ではこの設計が「Microsoft Edge」にも拡張されており、場合によっては約200MBの容量を節約できたという。