ニュース

解凍・圧縮ツール「7-Zip」に「Mark of the Web」をバイパスできる脆弱性

「7-Zip 24.09」へのアップデートを

Zero Day Initiativeのセキュリティアドバイザリ

 解凍・圧縮ソフト「7-Zip」に、「Mark of the Web」をバイパスできる脆弱性(CVE-2025-0411)があるとのこと。Trend Microのセキュリティチーム「Zero Day Initiative」が米国時間1月19日、アドバイザリを公開した。

 「Mark of the Web」(MOTW)は、Windows環境でインターネットからダウンロードされたファイルに付与される特殊なメタデータ。NTFSファイルシステムの代替データストリーム(Alternate Data Streams:ADS)という機能で実現されており、ファイルの入手先が信頼できないことを示す。「MOTW」を持つファイルを実行すると、Windowsは警告を発する。

 しかし、バージョンの古い「7-Zip」は書庫ファイルからファイルを抽出する処理に欠陥があり、書庫ファイルに細工が施してあると「MOTW」を抽出ファイルへ伝播しない。そのため、警告システムをパイバスしてユーザーに悪意あるファイルを実行させることができうる。

 この問題は、昨年11月29日にリリースされた「7-Zip 24.09」で解決されているとのこと。深刻度の評価は、CVSS v3.0の基本値で「7.0」。できるだけ早い対処が望ましい。

 「7-Zip」は、LZMA/LZMA2アルゴリズムで圧縮された7z形式書庫ファイルを扱うためのツール。ZIP/GZIPなどの書庫ファイルの圧縮・解凍も可能で、解凍だけであればARJ/CAB/LZH/RARなどの形式にも幅広く対応する。開発はオープンソースで行われており、コードの大部分は「GNU LGPL」ライセンス。商用を含め、あらゆる環境で無償利用できるのが強みだ。対応OSは64bit版を含むWindows 2000以降で、現在「7-Zip」の公式サイトや窓の杜ライブラリから無償でダウンロードできる。

ソフトウェア情報

「7-Zip」
【著作権者】
Igor Pavlov 氏
【対応OS】
64bit版を含むWindows 2000/XP/Vista/7/8/10/11およびWindows Server 2003/2008/2012/2016/2019/2022
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
24.09(24/11/29)