レビュー
エクスプローラーに解凍機能はあるけど……やっぱり「7-Zip」には敵わない
商用を含め、あらゆる環境で無償利用可能
2023年10月18日 15:09
Windows 10以降、ZIPファイルの扱いに困ることは少なくなった。標準機能で圧縮ファイルを展開(解凍)可能なうえ、ダブルクリックしてエクスプローラーで内容を確認できる。Windows 11では最新の更新で扱える圧縮ファイル形式も大幅に増加し、TAR/GZ/RAR/
7z形式などもサポートされた。しかし、使い勝手や機能となると専門のアーカイバーには遠く及ばない。今回紹介するのは、解凍・圧縮ソフト「7-Zip」だ。
「7-Zip」は、7z形式のファイルに完全対応しているほか、ZIP/GZIPなどの圧縮・解凍、ARJ/CAB/LZH/RARなどの解凍に対応。実は25年近くの歴史がある定番のアプリでもある。先日のメジャーアップデートで、圧縮時に実行ファイル(*.exeと*.dll)を解析して、適切なフィルターが選択されるようにもなった。
7z形式について補足すると、ZIP形式に比べて圧縮率が高く、異なる文字コードのファイル名を混在可能。つまり展開後のファイル名が文字化けしないといった特徴がある。見かけることは多くはないが、少しでもファイル容量を減らしたい大容量ファイルの圧縮などに使われている。
Windowsの標準機能では、パスワードを設定したZIPファイルを作成することはできないなど、頻繁に圧縮・解凍操作を行うとなると足りない機能が出てくる。そこで「7-Zip」をインストールしておくと何かと便利なわけだ。ダウンロードからインストールには悩まないと思うので、設定まわりについて見ていこう。
関連付けるファイル形式を設定する
インストール後に「7-Zip」と関連付けるファイル形式を設定しよう。[オプション]ダイアログボックスを呼び出して確認・設定できる。すべて「7-Zip」に関連付けてもいいし、ZIP形式はWindowsに任せて、そのほかは「7-Zip」とするのもいい。
この設定はWindowsの[ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ]の設定と連動するが、「7-Zip」の画面から変更したほうがスムーズだ。
右クリックメニューを使いやすくする
日常的に「7-Zip」のウィンドウを表示して操作することはほぼない。圧縮ファイルを右クリックして解凍、もしくはファイル・フォルダーを右クリックして圧縮と操作するだろう。右クリックメニューをカスタマイズしておくことで使い勝手が良くなる。
標準の状態では複数の項目が表示されるが、必要なメニューは限られており、極端に言えば[展開]と[圧縮]のメニューだけあれば事足りる。不要な項目は非表示にしてしまおう。[オプション]ダイアログボックスで設定可能だ。
ここでは、該当ファイルを「7-Zip」のウィンドウに表示する[開く]、解凍先のディレクトリを指定できる[展開]、同じディレクトリに解凍する[ここに展開]、圧縮オプションを指定できる[圧縮]の4つを表示するように設定してみた。
なお、圧縮ファイルを見ただけでは、複数ファイルを選択して圧縮したのか、複数ファイルをまとめたフォルダーを圧縮したのかは判断できない。安易に[ここに展開]を選択すると、解凍時に大量のファイルが生成される可能性もある。[展開]もしくは[<フォルダー>に展開]の項目を選択すれば、解凍後のファイルが散らかってしまうことを避けられる。
圧縮時の設定
右クリックメニューから[圧縮]を選択すると[圧縮]ダイアログボックスが表示される。[アーカイブ形式]からファイル形式を選択したり、パスワードを設定したりする際に使うことがほとんどだろう。
パスワードを設定する際に[ファイル名を暗号化]のチェックを付けておくと、内容を表示する際にもパスワードを要求されるので、より安全性が高まるだろう。
なお、スペックのあまり高くないパソコンで処理が遅いように感じるときは、[CPUスレッド数]や[圧縮に必要なメモリ]を下げるといい。
目立たないのがいいところ
「7-Zip」をインストールしたからといってパソコンの性能が劇的に変わるわけではないが、Windowsにない機能をカバーしてくれるのは確かだ。右クリックメニューにある[7-Zip]の項目も控えめで、いつもの操作の邪魔になることもない。無料の圧縮・解凍ソフトを探しているなら、候補のひとつとして検討してもいいだろう。
ソフトウェア情報
- 【著作権者】
- Igor Pavlov 氏
- 【対応OS】
- 編集部にてWindows 10で動作確認
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- v23.01(23/06/20)