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「DeepSeek-R1は厳格なレッドチームテストと安全性評価を受けている」Microsoftが公式ブログにて言及
Azure AI FoundryとGitHubで「R1」を提供開始
2025年1月31日 12:30
米Microsoftは1月29日(現地時間)、中国のAIスタートアップ DeepSeek社が公開したLLM「DeepSeek-R1」を、自社製品の「Azure AI Foundry」プラットフォームおよび「GitHub」で提供開始すると発表した。1,800を超えるモデルを有するAI開発プラットフォーム「Azure AI Foundry」のモデルカタログの一つに「DeepSeek」シリーズが加わる形となる。
「DeepSeek-R1」は、中国発の推論能力特化型の大規模言語モデル。無料で利用できるオープンソースモデルでありながら、米OpenAIが提供する高性能LLM「o1」シリーズ(執筆現在、利用には有料プランの加入が必要)と同等の性能を実現。DeepSeek社独自の開発手法により、APIの利用料金が非常に安価に設定されているのも特徴の一つで、優れたコストパフォーマンスを発揮しながら、従来モデルを凌駕する推論能力を有する新たなトレンドモデルとして、いま大きな注目を集めている。
しかしその一方で、モデルトレーニングのためにOpenAIのデータを不正に入手した疑惑が浮上するなど、データの扱い方をはじめ、プライバシーポリシーや中国政府への情報流出を懸念する声も一部で広がっている。
そうした中、Microsoftは「DeepSeek-R1」について、同社の公式ブログにて「モデルの動作の自動評価や潜在的なリスクを軽減するための広範なセキュリティレビューなど、厳格なレッドチームテストと安全性評価を受けている」と言及。さらに今回のアップデートによって「強力でコスト効率の高いモデルを提供し、より多くのユーザーが最小限のインフラ投資で最先端のAI機能を活用できるようになる」としている。
なお、Azure AI Foundry上の「DeepSeek-R1」は、組み込みのコンテンツフィルタリング機能(Azure AI Content Safety)が既定で利用可能。
また、Microsoftは、Copilot+ PC上でローカル実行できるDeepSeek-R1のNPU最適化モデルも近日リリースするとしており、OpenAIとのパートナーシップを深める一方で、「DeepSeek」シリーズの積極的な展開に意欲を見せ始めている。