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「.NET 9」ベースの「PowerShell 7.5」が公開 ~コマンドレット拡充、新しい実験機能も

18カ月間の標準サポートリリース

Microsoft、「PowerShell 7.5」を一般公開

 米Microsoftは2月12日(現地時間)、「PowerShell 7.5」を一般公開した。プラットフォームの品質、セキュリティ、安定性に焦点を当てたアップデートとなっている。加えて、新しいコマンドレットや実験的な新機能も導入された。

 「PowerShell 7.5」は、クロスプラットフォーム(Windows、macOS、Linux)対応のスクリプティング環境「PowerShell」の最新版。「.NET 9」の上に構築されており、標準サポートリリースとして18カ月間保守される。

 ちなみに、現行の長期サポートリリースは「PowerShell 7.4」だ(36カ月サポート、2026年11月まで)。

 「PowerShell 7.5」における主な変更は、以下の通り。

  • 「PSResourceGet」が「Azure Container Registry」(ACR)リポジトリに対応
  • 「PSReadLine」をv2.3.6に更新
  • 新しいコマンドレット「ConvertTo-CliXml」「ConvertFrom-CliXml」
  • オブジェクトの配列に対する「+=」演算のパフォーマンスが向上
  • 既存コマンドレット、タブ補完、エンジンの改善
  • 以下の実験的機能を安定版(メインストリーム)へ昇格
     ►PSCommandNotFoundSuggestion
     ►PSCommandWithArgs
     ►PSModuleAutoLoadSkipOfflineFiles

 「PSCommandNotFoundSuggestion」は、実行したコマンドが見つからないとき、あいまい一致検索で名前が似たコマンドがあれば教えてくれる。スペルミスなどでコマンドに失敗した場合や、正確なコマンドの名前を思い出せないときに役立ちそうだ。

 「PSCommandWithArgs」は、引数を使用して「PowerShell」コマンドを実行したいときに利用する。「-Command」との違いは、組み込み変数「$args」が利用できることだ。

「PSCommandNotFoundSuggestion」や「PSCommandWithArgs」がメインストリームに

 加えて、実験的機能として以下のコマンドが新たに導入された。「Enable-ExperimentalFeature」で有効化、「Get-ExperimentalFeature」でリストアップできる。

  • PSRedirectToVariable
  • PSNativeWindowsTildeExpansion
  • PSSerializeJSONLongEnumAsNumber

 「PowerShell 7.5」は、パッケージ管理システム「WinGet」でインストール可能。現在、これが推奨の方法とされている。

winget install --id Microsoft.PowerShell --source winget

 MSIパッケージを利用したり、「Microsoft Store」「Microsoft Update」経由でインストール・アップデートすることも可能だ。