「Visual Studio Code」に「GitHub Copilot」エージェントモード ～v1.98.0が公開

「Visual Studio Code」の2025年2月アップデート（v1.98.0）

　米Microsoftは3月6日（日本時間）、「Visual Studio Code」の2025年2月アップデート（v1.98.0）を正式公開した。本バージョンでは「TypeScript 5.8」が同梱されたほか、ピーク参照のドラッグ＆ドロップ、ターミナルにおける「IntelliSense」の強化といった新要素が加わっている。また、コーディング支援機能「GitHub Copilot」関連で多くの改善が行われた。

ピークのドラッグ＆ドロップ

　「Visual Studio Code」にはピーク（Peek）という機能が備わっており、シンボルの定義や参照元などをエディター内で“チラ見”できる。しかし、その部分を別のエディターで開き、もっと詳しく調査したいこともあるだろう。

　そこで、ピークアイテムをエディターにドラッグ＆ドロップする機能が追加された。エディター画面を分割して並べて表示したり、タブで切り替えて参照できて便利だ。

ピークのドラッグ＆ドロップ

ターミナルにおける「IntelliSense」（プレビュー）

　統合ターミナルでは「IntelliSense」による入力補完機能が大きく改善された。「bash」や「zsh」、「fish」、「PowerShell」でよりリッチなサジェストをうけることができる。

　たとえば、「Fig」の入力補完使用を活用して、OS標準のコマンドや「Git」、「Docker」といった有名なコマンドのオプションなどを提案してもらうことが可能。インライン補完で従来問題となっていた、シェルの提案と「Git」などのツールレベルの入力予測が競合するケースへの対応も強化された。使用頻度の高い入力候補を上に配置するなど、細かい使い勝手も改善されている。

「zsh」のコマンド補完。「man zshbuiltins」でコマンドの説明も取得してくれる

　なお、この機能はプレビューとして提供される。有効にするには「terminal.integrated.suggest.enabled」設定フラグを有効化すればよい。

「GitHub Copilot」関連の改善

　コーディング支援機能「GitHub Copilot」関連では、以下の改善が行われた。

• エージェントモード（プレビュー）：与えられたタスクだけでなく、必要なサブタスクを推測し、それらをすべて完了するまで動作し続けるモード。自身のエラーを検知してそれを修正することもでき、あたかもAIとペアプログラミングをしているかのような感覚が得られる
• 「Next Edit Suggestions」の改善（プレビュー）：エディターとの統合を洗練させ、ノートブックをサポート。プロンプトに添付できるファイル数制限（10個まで）は撤廃。クライアントに課せられていた10分あたり14回のインタラクション制限も削除（サーバー側の制限は引き続き適用される）
• コード検索：チャットインターフェイスで検索を依頼すると、テキスト検索やファイル検索などのツールを実行して、ワークスペースから追加のコンテキストを取り込める
• カスタム指示（Custom instructions）の一般提供開始：要件を記述して、自分やチームの作業方法に合わせた「GitHub Copilot」の調整を行える（.github/copilot-instructions.md）

そのほかの機能

　そのほかにも、以下の改善が実施された。

• Linux版でカスタムタイトルバー対応がデフォルト有効に
• 新しいコミットフック。変更のあるファイルに未解決の診断がある場合、コミットを続行するかどうか尋ねる（プレビュー）
• トラッキングされていない変更の破棄を論理削除に：データ損失を避けるため、ゴミ箱に入れてあとから復元できるように

　「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。現在、本ソフトの公式サイトや「ストア」アプリ（Microsoft Store）から無償でダウンロード可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。

　Web標準技術で構築されており、Webブラウザーでも動作する。強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー（Language Server）対応の拡張機能を追加することで幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴だ。