ニュース

「Visual Studio Code」のエージェントモードが安定版に ~MCP対応もプレビュー

「Copilot Next Edit Suggestions」も一般提供された2025年3月更新

「Visual Studio Code」の2025年3月アップデート(v1.99.0)

 米Microsoftは4月4日(日本時間)、「Visual Studio Code」の2025年3月アップデート(v1.99.0)を正式公開した。Microsoftの50周年を記念して、MCPプロトコル(Model Context Protocol)をサポートする「GitHub Copilot」エージェントモードが安定版「Visual Studio Code」で提供開始されるなど、多くの機能強化が行われている。

エージェントモード

 従来のAIコーディング支援はチャットでAIモデルと対話するか、コードエディター上でインラインによる改善提案をしてもらったり、複数ファイルの編集を依頼するのが主流だった。エージェントモードとはそれらを個別に行うのではなく、質問に答えたり、タスクを実行してもらったりといったことを総合的に行う。ターミナルコマンドやツールの呼び出しを提案してもらい、それをその場で実行し、必要であればランタイムエラーを分析し、修復してもらうところまでを任せられるわけだ。

 開発者はそれぞれのフローをどの順番でどのように行うのかを考える必要はなく、AIが提案する都度にそれを受け入れるか、却下するかを選ぶだけでワークフローを完了させることが可能。Webアプリの構築から「Git」リポジトリへのコミットまでやってくれる。

質問、編集を簡単に切り替えられる、統一されたチャットエクスペリエンス。エージェントモードへの切り替えもここから
エージェントモードは、質問に答えるだけでなく、関連するタスクもまとめてやってくれる

 この機能は2025年2月更新からプレビューとして導入されていたが、安定版へも段階的なロールアウトが開始されている。今後数週間ですべてのユーザーにいきわたるはずだ。それが待てない場合は、「chat.agent.enabled」を設定して手動で有効化することも可能。モデルは「Claude 3.5 Sonnet」、「Claude 3.7 Sonnet」、「Google Gemini 2.0 Flash」、「OpenAI GPT-4o」のなかから選べる。

MCPサーバーへの対応

 「MCP」は、さまざまなAIモデルを連携させるためのプロトコル。あたかもUSBポートのように、エージェントモードの「GitHub Copilot」に必要なコンテキストや機能を挿し、能力を拡大させることができる。

 たとえば、従来は『GitHubプロフィールを更新して、昨日私に割り当てられたプルリクエストのタイトルを含めてください』といった複数のツールを横断するプロンプトを実行するのが難しかったが、MCPにさえ対応していれば、必要なツールをプラグインしておくだけで、タスクを完了させるためのツールチェーンをAIが選んで実行してくれるようになる。

 「Visual Studio Code」へMCPサーバーを登録するには、コマンドパレットで「MCP: Add Server」コマンドを実行すればよい(ローカル・リモート両対応)。「GitHub」関連のタスクを実行する公式のMCPサーバーも提供される。

そのほかの機能

 そのほかにも、以下の改善が実施された。

  • 「Copilot Next Edit Suggestions」(Copilot NES)の一般提供。現在行っている編集作業をもとに、次に編集する場所とその内容を予測し、[Tab]キーでその場所にジャンプしながらすばやく採否を決めていける
  • Bring Your Own Key(BYOK、プレビュー)。「Copilot Pro」と「Copilot Free」のチャットで、利用するAIモデルを自由に選べるように。APIキーを入力すれば、ネイティブサポートされていないAIモデルも登録できる
  • 質問、編集、エージェントモードを簡単に切り替えられる、統一されたチャットエクスペリエンス
  • インスタントリモートワークスペースインデックス作成により、ワークスペースの検索速度と精度が向上
  • ノートブックでも編集モードとエージェントモードをサポート。コードファイルと同じくらいノートブックでの編集が簡単に

 「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。現在、本ソフトの公式サイトや「ストア」アプリ(Microsoft Store)から無償でダウンロード可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。

 Web標準技術で構築されており、Webブラウザーでも動作する。強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー(Language Server)対応の拡張機能を追加することで幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴だ。

ソフトウェア情報

「Visual Studio Code」Windows向け安定版
【著作権者】
Microsoft Corporation
【対応OS】
64bit版を含むWindows 10/11
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.99.0(25/04/04)