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AIがWindows機能・データを活用できる ~Windows 11で「MCP」がネイティブサポートへ

セキュリティとプライバシーには細心の注意を払いながらテストする方針

Windows 11で「Model Context Protocol」(MCP)をネイティブサポート

 米Microsoftは5月19日(現地時間)、Windows 11で「MCP」をネイティブサポートすると発表した。同社は今後数カ月の間に一部のパートナーにプライベート開発者プレビューとして提供し、フィードバックを募る。

  「MCP」(Model Context Protocol) は、AIアプリが外部サービスへアクセスするためのプロトコル。AIエージェントが外部サービスから情報を取得したり、外部サービスを操作するための共通インターフェイスで、物理デバイスでいうところのUSBインターフェイスにたとえられることもある。「Visual Studio Code」などのAI開発環境で対応が始まっているが、これがOSレベルで統合されれば、システムやアプリとAIエージェントを連携させるのが容易になるだろう。

 同社はWindowsのMCPプラットフォームに、以下のコンポーネントを導入する。

  • Windows用MCPレジストリ(MCP Registry for Windows):MCPサーバーにアクセスできるWindows上のAIエージェントを管理。エージェントはこのレジストリを介してクライアントデバイスにインストールされたMCPサーバーを検出する
  • Windows用MCPサーバー(MCP Servers for Windows):ファイルシステム、ウィンドウ、「Windows Subsystem for Linux」のようなWindowsシステム機能を、AIエージェントが利用するためのMCPサーバーとして提供

 ただし、そのためにはセキュリティとプライバシーの確保がなによりも重要となる(テストへの参加が厳選されるのもそのためだろう)。同社はMCPで責任のある開発を行うにあたり、以下の指針を公表している。

  • Windows用のMCPレジストリを強力なセキュリティ基準を満たす信頼できるMCPサーバーのエコシステムにする
  • ユーザーが管理できることを原則とする。AIエージェントのMCPサーバーアクセスは、既定で無効となる。有効化されたあとも、ユーザーに代わってAIエージェントの行った作業は把握できるようにする
  • MCPサーバーへのアクセスは、最小特権の原則によって管理される

 こうしたセキュリティへの取り組みは1回限りのものではなく、継続的に取り組まれる。MCPやその他のエージェント機能が拡張されるにつれ、セキュリティ防御も発展させるとしている。