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「Visual Studio Code」がv1.100に到達、AI関連を中心に多くの機能強化
ベースとなるエディター機能も改善された2025年4月更新
2025年5月9日 13:23
米Microsoftは5月9日(日本時間)、「Visual Studio Code」の2025年4月アップデート(v1.100)を正式公開した。本リリースでもAI機能を中心に、多くの改善が盛り込まれている。
チャット
まず、インストラクションファイル(.instructions.md)やプロンプトファイル(.prompt.md)をMarkdownテキストで記述し、再利用できるようになった。
インストラクションファイルはカスタム指示(Custom instructions)のためのファイルで、「GitHub Copilot」を自分やチームの作業方法に合わせるための調整が可能。プロンプトファイルは「リリースノートを生成する」といった、よく行うタスクを行うためのチャットプロンプトを記述するためのものだ。
次に、拡張機能ツールがチャットに統合された。望みの拡張機能を説明すれば、それにあう拡張機能をリストアップし、提案してくれる。そのままインストールすることも可能だ。
そのほかにも、ツール出力の一部として画像を生成するMCPサーバーがサポートされた。ストリーム可能なHTTPサーバーにも対応している。
チャットパフォーマンス
パフォーマンス面では、会話の概要とプロンプトをキャッシュすることで、繰り返しのチャットリクエストに対する応答が高速化された。エージェントモードで手動編集を行うと、モデルが混乱する問題も緩和されたほか、ファイル編集で新たなエラーが発生した場合、エージェントがそれを検出し、自動的にフォローアップを提案する機能も導入されている。
エディター体験
エディター関連では、特定のビューをメインウィンドウから切り離し、小さなウィンドウとして表示するフローティングウィンドウモードが改善。特定のUI要素を非表示にしてコンテンツを表示するスペースを増やすコンパクトモードと、他のウィンドウより常に手前に表示するモードが追加された。既定では新しいウィンドウでチャットを作成するときにコンパクトモードが用いられ、常に手前に表示するモードと組み合わせれば、エディターで編集しながらチャットするのが簡単になるだろう。
また、ソース管理ビューを開くことなく、ステージングされた変更をエディターから直接表示できるようにする改善も導入された。これは長年にわたり多かった機能リクエストだという。
そのほかの機能
そのほかにも、以下の改善が実施された。
- マージ エディターの機能強化
- インラインチャットの改良版(V2)をプレビュー
- UI要素を選択してチャットにアタッチ(試験運用)
- 拡張機能の署名検証は、Windows、macOS、Linux のすべてのプラットフォームで必須にするなどのセキュリティ強化
- 「Monaco」エディターで可変行高をサポート。拡張機能にはまだ対応していないが、さらなるテストののちロールアウトされる予定
- ノートブック、ソース管理、デバッグの改善
- 指定したHTML要素、CSSプロパティのブラウザーサポート状況をツールチップ表示できるようにするなどの言語機能強化
「Visual Studio Code」は、Windows/macOS/Linuxで動作する高機能なコードエディター。現在、本ソフトの公式サイトや「ストア」アプリ(Microsoft Store)から無償でダウンロード可能。すでに利用している場合は、アプリの自動更新機能を用いてアップデートすることもできる。
Web標準技術で構築されており、Webブラウザーでも動作する。強力なコーディング支援・デバッグ・統合ターミナル機能を提供するほか、言語サーバー(Language Server)対応の拡張機能を追加することで幅広いプログラミング言語に対応できるのが特徴だ。
ソフトウェア情報
- 「Visual Studio Code」Windows向け安定版
- 【著作権者】
- Microsoft Corporation
- 【対応OS】
- 64bit版を含むWindows 10/11
- 【ソフト種別】
- フリーソフト
- 【バージョン】
- 1.100(25/05/09)