ニュース

米SourceForgeが開発者に無断で「GIMP for Windows」へソフトをバンドル

開発者は反発し“SourceForge”上のプロジェクトページを削除する方法を提供することを要求

「GIMP for Windows」

 アメリカのオープンソースソフトウェアのライブラリサイト“SourceForge”が、定番のレタッチソフト「GIMP for Windows」のインストーラーへサードパーティー製のソフトをバンドルしていたことが判明した。ソフトのバンドルは開発元である“GIMP project”に無断で行われ、プロジェクトの管理者も“SourceForge”の編集者と思われる“sf-editor1(SourceForge Editorial Staff)”へ改変されていた。

 GIMP projectは5月26日、公式サイト上で抗議の意思を表明し、“SourceForge”は27日に経緯を説明するとともに、ソフトのバンドルを取りやめた。また、管理者権限を返還する意思を表明している。

 “SourceForge”によると、ソフトのバンドルは18カ月間プロジェクトが更新されていないため放置されたプロジェクトと判断し、“mirror”としての掲載に切り替えたとのこと。“mirror”とされたプロジェクトはサードパーティー製のソフトをバンドルされる場合があるという。

 これに対し5月31日、GIMP projectは公式声明を発表した。それによると今回の行動は、開発者に無断でソフトのバンドルを行わないという、2013年に“SourceForge”が発表した広告に関する声明に反しており、もはや“SourceForge”を信頼できないとのこと。そのため、“SourceForge”上のプロジェクトページを削除する方法を提供することを要求している。

 なお、米“SourceForge”の兄弟サイトとして2015年5月まで“SourceForge.JP”の名称を使用していた“OSDN”は5月29日、『OSDN社側がプロジェクトの成果物に対してアドウェアを同梱するような行為や活動を停止したプロジェクトの成果物の改変を行うといった行為は一切行うことはありません』との声明を発表している。

 また、窓の杜ライブラリに収録している「GIMP for Windows」は“SourceForge”ではなく「GIMP」の公式サイトから転載しているため、“SourceForge”が行った処置の影響は受けていない。加えて、窓の杜ライブラリはファイルの二次配布を原則としており、開発者に無断でファイルを改変することはないので、安心して利用してほしい。

(長谷川 正太郎)