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Mozilla、「Thunderbird」v45.0を正式公開

派手な新機能はないものの、使い勝手を高める細部の改善が多数盛り込まれる

「Thunderbird」v45.0

 Mozillaは12日、メールソフト「Thunderbird」の最新安定版v45.0を公開した。本バージョンは「Firefox ESR」v45.0のコードをベースにしたメジャーバージョンアップとなっている。

 今回のアップデートでは、派手な新機能の追加は見られないものの、使い勝手を高める細部の改善が多数盛り込まれている。

 まず、メールのリストビューへ“通信相手”カラムが追加された。これは“差出人”カラムと“受信者”カラムを統合したもので、自分が送信したメールの場合は受信者が、自分が受信したメールの場合は送信者が表示される。必要な情報をコンパクトに表示する気の利いた改善といえるだろう。

 さらに、メールのヘッダーから送受信者の名前とメールアドレスをコピーする機能や、メールを閲覧する際にブロックされたリモートコンテンツを解除するためのメニューの改善なども行われている。

“通信相手”カラムと改善されたメールヘッダーのメニュー
ブロックされたリモートコンテンツを解除するためのメニューが改善。一括解除や差出人ベースの解除が可能に

 一方、メールの編集画面では差出人アドレスのカスタマイズが行えるようになった。この機能は“Gmail”などの“別名アドレス”(エイリアスとも。“samlpe+hoge@gmail.com”や“samlpe+fuga@gmail.com”といったアドレスへのメールを“samlpe@gmail.com”で受け取れる機能)が使えるメールサービスなどで有効。相手によって差出人アドレスをカスタマイズしておけば、あとでメールをフィルタリングするのが容易になるだろう。

 そのほかにも、件名の編集中にもスペルチェック機能のON/OFFと辞書の切り替えが可能になったほか、フォントサイズをプルダウンリストで選択できるボタンが追加されるなどの改善も盛り込まれた。また、メールを編集する際に[Enter]キーを押すと、改行ではなく新しいパラグラフが追加されるようになった。従来通り改行を入力したい場合は、[Shift]+[Enter]キーが利用できる。さらに、メッセージをプレーンテキストへ変換する場合に予期せずフォーマットが失われるのを防止するため、常にHTMLフォーマットを利用するオプションが実装された。

 これ以外にも、“XMPP”プロトコルを利用したチャットルームとコマンド対応の強化や、アドレス帳の連絡先に登録された住所を地図表示する際、“Google マップ”の代わりに“OpenStreetMap”を利用できるようになるなどの改善が盛り込まれている。

メールの編集画面。件名の編集中にもスペルチェック関連の機能を変更できるようになったほか、フォントサイズをプルダウンメニューで選択できるボタンが追加
アドレス帳の連絡先に登録された住所を地図表示する際に“OpenStreetMap”を利用

 「Thunderbird」は64bit版を含むWindows XP/Server 2003/Vista/7/8/10に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、現在MozillaのWebサイトから最新版がダウンロード可能。自動更新機能によるアップデートの配信はまだ始まっていないようだが、間もなく開始されるものと思われる。

ソフトウェア情報

「Thunderbird」Windows向け安定版
【著作権者】
contributors to the Mozilla Project
【対応OS】
64bit版を含むWindows XP/Server 2003/Vista/7/8/10
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
45.0(16/04/12)

(樽井 秀人)