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「Google Chrome 137」が公開 ~「Gemini in Chrome」搭載、CSSでif()関数が利用可能に
セキュリティ関連の修正は全11件
2025年5月28日 11:47
米Googleは5月27日(現地時間)、デスクトップ向け「Google Chrome」の安定(Stable)チャネルをアップデートした。Windows/Mac環境にはv137.0.7151.55/56が、Linux環境にはv137.0.7151.55が順次展開される。
「Chrome 137」の目玉は、先日の「Google I/O 2025」でアナウンスされた「Gemini in Chrome」だ。米国の「Google AI Pro」「Google Ultra」サブスクリプション購読者に限られるが、組み込みの生成AI「Gemini」を統合し、閲覧ページを要約したり、コンテンツの内容について質問したり、対話を通じて理解を深めたりできる。日本への展開にも期待したい。
また、一部の環境でオンラインフォームの入力にAIが導入されるとのこと。以前に入力した内容をもとに、AIがフォームの自動入力を支援してくれる。
開発者向け機能の目玉は、CSSに導入される「if()」関数だ。この関数は条件に続きセミコロン「;」で区切った値をペアで指定することにより、条件が真であれば前の値、そうでなければ後ろの値を返す。複雑な条件ロジックをシンプルかつ簡潔に表現できる待望の機能だ。
そのほかにも、「Chrome 137」ではセキュリティ関連でいくつかの改善が導入されている。
- ストレージパーティショニングを引き続き改善。Blob URLを用いる「Firefox」「Safari」実装に近づける
- 「HSTS」(HTTP Strict Transport Security)キャッシュを使用したサードパーティによるユーザートラッキングを軽減する仕組みを導入
- 「WebRTC」接続で「DTLS 1.3」をサポート。耐量子暗号を追加するために必要な措置
脆弱性の修正は全11件。そのうちCVE番号が公開されている脆弱性は、以下の8件だ。深刻度は最大で「High」と評価されている。
- CVE-2025-5063:Use after free in Compositing(High)
- CVE-2025-5280:Out of bounds write in V8(High)
- CVE-2025-5064:Inappropriate implementation in Background Fetch API(Medium)
- CVE-2025-5065:Inappropriate implementation in FileSystemAccess API(Medium)
- CVE-2025-5066:Inappropriate implementation in Messages(Medium)
- CVE-2025-5281:Inappropriate implementation in BFCache(Medium)
- CVE-2025-5283:Use after free in libvpx(Medium)
- CVE-2025-5067:Inappropriate implementation in Tab Strip(Low)
そのほかにも、内部監査やファジングで発見された不具合も修正された。現時点で悪用が報告されている脆弱性はない。
デスクトップ向け「Google Chrome」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在、同社のWebサイトから無償でダウンロード可能。Windows版は、Windows 10/11に対応している。すでにインストールされている場合は自動で更新されるが、設定画面(chrome://settings/help)にアクセスすれば手動でアップデート可能。アップデートを完全に適用するには、「Google Chrome」の再起動が必要だ。