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LLMがゲームテスターになる!? AIが“遊びながら”開発を支援するソリューション、PFNが展示【TGS2025】

AIエージェントによる新たなゲーム体験の創出をサポート

「東京ゲームショウ2025」に出展するPreferred Networksブース

 (株)Preferred Networks(PFN)は、9月25日より開幕したゲーム展示会「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」にブースを出展。AIテクノロジーパビリオンコーナーの来場者に向けて、ゲーム向けAIエージェントソリューションのデモ展示を行なっている。

 本ソリューションは、AIエージェント(生成AI)によるゲームの自動プレイで、ゲーム開発において効率化が求められるQA(Quality Assurance、品質保証)の自動化を支援するというもの。多くのテスターを通じて人海戦術的に行なわれるQA作業の工数増大を解消するとともに、AIエージェントを用いた新たなゲーム体験の創出をサポートする。例えば、深夜(人間の活動時間外)にAIでゲームのテストを回しておくといったことも可能になるかもしれないという。

 ブース内では、PFNが自社開発するオープンワールドサバイバルクラフトゲーム「Omega Crafter」上でのデモ(活用事例)をもとに、ポイントとなる「自動プレイによるシナリオを通したQA」、「個別のテストケースの自動チェック」、「新しいゲーム体験の創出」を紹介している。

ゲーム向けAIエージェントソリューション
AIエージェントによる自動プレイのデモ

 このデモでは、チュートリアルといったシナリオをAIが一連のタスクを自動生成して実行。ゲーム情報の取得は専用のAPIと設定データより構築したデータベースから行なわれる。そして、ゲームの状況からAIエージェントがリアルタイムに行動を判断していく。成功した行動・実行手順はコードの形で保存され、実行結果やエラーの内容を確認できる。

 また、実行したシナリオは一連のタスクの情報とともにリスト化して保存され、テストケースとして活用できる。シナリオ実行中は、ユーザーからの入力によりタスクの追加や修正を行なうことも可能だ。さらに、ゲーム画面のスクリーンショットから情報の抽出もでき、柔軟なタスク決定やアクション実行をサポート。仕様変更に追随するテストケースの修正・確認の手間を解消していく。

 本ソリューションではさらに、AIが自ら考えて実行計画を立てる機能を利用し、複数のキャラクターを協同させて動かすこともできる。AI同士が状況に応じてコミュニケーションをとったりして交流するなど、従来にはないゲームの体験・世界観をもたらすアイデアの創出を狙っているという。

同ブースではゲーム向け翻訳サービス「PreferredAI Localization」のデモ展示も行なわれていた
固有名詞などの用語に強いのがポイント。厨二病っぽい言い回しも多言語翻訳できるとのこと