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「Microsoft Edge 141」が正式リリース ~AdobeのPDFビューワーが企業環境でも既定有効に

Webサイトのローカルアクセスを制御するセキュリティ機能も、脆弱性の修正は12件

「Microsoft Edge」v141.0.3537.57

 米Microsoftは10月2日(現地時間)、デスクトップ向け「Microsoft Edge」v141.0.3537.57を安定(Stable)チャネルでリリースした。「Edge 141」では、Adobe社が提供する新しいPDFビューワーが企業環境で既定となった(個人向けの展開は実施済み)。

Adobe社が提供する新しいPDFビューワーが企業環境で既定に

 新しいPDFビューワーへの移行は今後数カ月にわたり、段階的に継続される予定。従来のPDFビューワーに比べパフォーマンス、アクセシビリティ、互換性が強化される。

 また、Webサイトがローカルネットワーク上のサーバーにリクエストを送信するのを制限するセキュリティ機能が導入される。Webサイトがこの種の接続を試みると、「Edge」にはそれの可否を問うプロンプトが表示されるようになる。既定では無効となっているが、「Edge 143」からはデフォルト有効となる見込みだ。

Webサイトがローカルネットワーク上のサーバーにリクエストを送信するのを制限するセキュリティ機能。未展開の環境では「edge://flags/#local-network-access-check」フラグで有効化できる
権限設定ページ(edge://settings/privacy/sitePermissions/allPermissions)の最下部に「ローカル ネットワーク アクセス」が追加

 そのほかの変更は、以下の通り。

  • UIA(UIオートメーション)要素が子として再帰的に参照され、タイムアウトとメモリの問題が発生する問題を修正
  • リアルタイムのビデオ翻訳。ハードウェア要件(12GB以上のメインメモリ、4コア以上のCPU)を満たすデバイス、一部の市場で展開
  • 「Edge for Business」の「Microsoft 365 Copilot」チャットがツールバーに表示されないようにするポリシーを追加
  • タブのマウスホバーでコンテンツをプレビューする機能を制御するポリシー
  • 「閉じるときに閲覧データをクリアする」設定(edge://settings/privacy/clearBrowsingData/clearOnClose)の挙動を変更。パスワードと自動入力データはサポート外に
「閉じるときに閲覧データをクリアする」設定(edge://settings/privacy/clearBrowsingData/clearOnClose)

 セキュリティ関連の修正は12件。すべて「Chromium」に由来するものだ。「Google Chrome 141」でも、同じ脆弱性が修正されている。

  • CVE-2025-11205:Heap buffer overflow in WebGPU(High)
  • CVE-2025-11206:Heap buffer overflow in Video(High)
  • CVE-2025-11207:Side-channel information leakage in Storage(Medium)
  • CVE-2025-11208:Inappropriate implementation in Media(Medium)
  • CVE-2025-11209:Inappropriate implementation in Omnibox(Medium)
  • CVE-2025-11210:Side-channel information leakage in Tab(Medium)
  • CVE-2025-11211:Out of bounds read in Media(Medium)
  • CVE-2025-11212:Inappropriate implementation in Media(Medium)
  • CVE-2025-11213:Inappropriate implementation in Omnibox(Medium)
  • CVE-2025-11215:Off by one error in V8(Medium)
  • CVE-2025-11216:Inappropriate implementation in Storage(Low)
  • CVE-2025-11219:Use after free in V8(Low)

 深刻度の評価は、最高で「High」。今のところ悪用の報告はないようだ。

 デスクトップ版「Microsoft Edge」はWindows/Mac/Linuxに対応しており、現在公式サイトから無償でダウンロード可能。すでに「Microsoft Edge」を利用中の場合は、自動で更新されるため何もする必要はない。手動で更新したい場合は、画面左上のメニュー(設定とその他)から[ヘルプとフィードバック]-[Microsoft Edge について]画面(edge://settings/help)へアクセスするとよい。