レビュー

高機能な無償クリップボード管理ツール「CopyQ」 ~独自コマンドで自由に機能を拡張可能

Windows/Mac/Linuxに対応するクロスプラットフォームアプリ

「CopyQ」v3.0.3

 「CopyQ」は、高機能なクリップボード履歴の管理ツール。Windows/Mac/Linuxに対応するクロスプラットフォームアプリで、“GitHub”のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。

 クリップボードにコピーしたテキストや画像などのデータを蓄積して再利用するためのツール。タスクトレイアイコンの右クリックメニューからクリップボードの履歴へアクセスし、選択するだけでそのデータをクリップボードへ戻すことができる。キーワード検索にも対応しているので、テキストデータを探し出すのも簡単だ。

タスクトレイアイコンの右クリックメニューからクリップボードの履歴へアクセス
キーワード検索にも対応

 さらにタスクトレイアイコンをクリックすれば、メイン画面を呼び出すことが可能。タスクトレイアイコンの右クリックメニューと異なり、メイン画面ではドラッグ&ドロップによるデータの並び替えや不要な履歴の削除、データの編集など、より高度な操作が行える。クリップボードにコピーされたデータの詳細をプレビューすることも可能。複数のタブを作成してデータを仕分けしたり、ノートを追加してメモを残すことができるのもユニークな点と言えるだろう。簡易的な利用はクリップボード、本格的なデータ管理はメイン画面と使い分けたい。

メイン画面
データの詳細をプレビュー

 また、「CopyQ」はカスタマイズ性も際立っている。たとえば、[設定]ダイアログではキーボードショートカットや外観を自分好みに設定できる。意外にも初期設定状態ではメイン画面の表示・非表示を切り替えるコマンドにキーボードショートカットが割り当てられていないので、利用する際はまずメイン画面を表示した状態で[F6]キーを押して[CopyQ コマンド]ダイアログを呼び出し、[メインウィンドウの表示切り替え]コマンドを追加して、好みのショートカットを割り当てるとよい。ホットキーでメイン画面の表示・非表示を切り替えることができて便利だ。

[設定]ダイアログ
[CopyQ コマンド]ダイアログ

 この[CopyQ コマンド]ダイアログでは、先ほど紹介した[メインウィンドウの表示切り替え]コマンドなどのプリセットコマンドだけでなく、ユーザー定義のコマンドを追加して、さまざまな操作やデータ処理を自動化することが可能。これこそが「CopyQ」最大の魅力と言える。

 たとえば、以下のコマンドをクリップボードへコピーした状態で[CopyQ コマンド]ダイアログを開き、[コマンドを貼り付け]ボタンを押してみよう(このコマンドは公式ドキュメントで紹介されているものだ)。

[Command]
Name=Move Images to Other Tab
Input=image/png
Automatic=true
Remove=true
Icon=\xf03e
Tab=&Images

 すると“Move Images to Other Tab”というコマンドが追加されるだろう。このコマンドはクリップボードにデータが格納されると自動で発動し、画像データを[Image]タブへ移動してくれる。こうしておけば、クリップボードにコピーされたデータから画像だけを[Image]タブへストックしていける。

 「CopyQ」はコマンドラインでの操作も可能で、ここで紹介したのは可能性のごく片鱗に過ぎない。コマンドのサンプルなどを参考にしながら、自分なりの使い方を追求してみるのも一興だろう。

ソフトウェア情報

「CopyQ」
【著作権者】
Lukas Holecek 氏
【対応OS】
Windows/Mac/Linux
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
3.0.3(17/07/02)