レビュー

メールの送信前に口煩くチェックを入れてくれる母親的アドイン「おかん for Outlook」

特定条件で警告文を表示、自動でCC/BCCを追加する機能も

「おかん for Outlook」v1.0.3

 「おかん for Outlook」は、メールの誤送信を防止するために開発された「Microsoft Outlook」用のアドイン。オープンソースで開発されており、ライセンスは“Apache License 2.0”。“GitHub”のプロジェクトページから無償でダウンロードできる。

 本アドインを「Outlook」へインストールすると、メールの送信前に確認ダイアログが表示されるようになる。このダイアログにはいくつものチェック項目が設けられており、すべてをパスするまで送信処理が行われない。メールの送信前に重要事項を再確認することで、誤送信を防止できるというわけだ。まるで学校へ行く前に“教科書は持ったか”“宿題は忘れていないか”と口煩くチェックを入れる母親(おかん)のような存在だが、メールの誤送信はときに取り返しのつかない結果につながる。メール種別(テキストかHTMLか)や添付ファイルの有無もチェックできるので、忘れ物が多かったり、うっかりミスの多いユーザーはぜひ導入しておこう。

メールの送信前に確認ダイアログが表示される

 本アドインを利用するには、まずチェックルールを設定しておく必要がある。設定ダイアログは、「Outlook」のリボンで[送受信]タブを選択し、「おかん for Outlook」セクションにある[設定]ボタンを押すとアクセス可能。設定ダイアログのタブに、それぞれ必要な設定を入力していこう。各設定はCSV形式でインポート・エクスポートできる仕組みになっており、環境の移行やバックアップは比較的容易だ。

設定ダイアログ

 なかでもよく利用するのは、[警告キーワード]機能だろう。この機能は、メールの本文に指定されたキーワードが含まれていると、あらかじめ設定しておいた警告文が表示する。たとえば、“部外秘”キーワードに“アドレスを再度確認しておくこと”という警告文を設定しておけば、送信時に部外秘のメールが外部に流出しないよう警告を出すことが可能。[警告アドレス]機能を利用すれば、メールアドレスベースで同様に警告文を設定できる。

 なお、ファイルの添付漏れチェックは初期状態で組み込まれているので、わざわざ警告文を設定する必要はない。

 [名称/ドメイン]は同種のアドインでもあまり見かけない機能だが、なかなか便利だ。たとえば“インプレス”と“@impress.co.jp”を紐付けておけば、メール本文に“インプレス”が登場するにも関わらず、送信先のアドレスに“@impress.co.jp”が含まれていない場合に警告していくれる。メールを間違った会社に送ったり、送信先に含めるのを忘れたりといったミスを防ぐのに役立つ。

 そのほかにも、キーワードや宛先に応じて自動でCC/BCCを追加する機能を搭載。取引先へのメールを上司に転送する手間を省くことができる。また、[ホワイトリスト]機能にアドレスを登録しておけば、チェック項目すべてが初めからONになった状態で「おかん」が現れるので、[送信]ボタンを押すだけで簡単にメールを送ることができる。

ソフトウェア情報

「おかん for Outlook」
【著作権者】
(株)のらねこ
【対応OS】
Windows 7/8/8.1/10
【ソフト種別】
フリーソフト
【バージョン】
1.0.3(17/10/01)