レビュー

Kindleで購入済みの電子書籍をExcelで管理するには? 簡単にXLSX形式に変換できるツール

重複購入の防止に!「Kindlist」でExcel文書に変換してソートや絞り込みも軽快実行

「Kindlist」

 「Kindlist」は、Amazonの電子書籍ストア「Kindle」で購入した書籍の一覧を、Excel形式で出力できるフリーソフト。Windows 10に対応する寄付歓迎のフリーソフトで、編集部にてWindows 11で動作確認した。ベクターのライブラリからダウンロードできる。

 これまでに購入したすべてのKindle本の一覧をローカルで所有しておけるので、蔵書管理にぴったりだ。ひととおりの使い方と、実際に使ってみた上でのポイントを紹介する。

Kindleの蔵書一覧をExcelで出力

 利用にあたっては、PCに「Kindle for PC」がインストールされている必要がある。本ソフト自体はインストール不要で動作するので、ダウンロードした「Kindlist」を解凍し、ダブルクリックするだけで起動する。

 起動すると「Kindle for PC」のXMLファイルがあるパスを尋ねてくる。すでにCドライブから始まるデフォルトのパスが入力されているので、そのまま[変換]ボタンをクリックすると、Excelファイルが出力される。あとはこれを開き、きちんと表示できるか確認すればよい。もしパスの位置がおかしくエラーが出る場合は[参照]ボタンを押して位置を指定する。

利用にあたってはPCに「Kindle for PC」がインストールされている必要がある
「Kindlist」はインストール不要で動作する。ダウンロードして解凍したのち「Kindlist.exe」(左のアイコン)をダブルクリックする
Kindlistが起動。XMLファイルの標準パスが表示されているのを確認して[変換]ボタンをクリック
出力されたファイルを開くと、蔵書の一覧がExcelファイルで表示される。この時点ですでにフィルターによる絞り込みが可能になっている

 実行ボタンのラベルが「出力」ではなく「変換」であることからもわかるように、本アプリは「Kindle for PC」がローカルに保持しているXML形式のデータベースを、Excel形式に変換する形で出力を実現している。そのため本アプリ自体が直接クラウドに接続しに行くことはなく、「Kindle for PC」さえインストールされていれば動作する。

 項目はASINのほか、書籍名、出版社、著者、Amazonリンクの列で構成されている。必要な項目を選んで出力するのではなく、すべてを出力したのち、不要ならばユーザ側で非表示にしたり削除したりする設計だ。ちなみにAmazonリンクにはアフィリエイトタグが挿入されているが、これは作者へのお布施ということで問題ないだろう。

 ひとつだけ疑問なのは、もとのXMLファイルにある購入日(purchase_date)という項目が省かれていることだ。「Kindle for PC」側でデータを持っていない項目、例えば購入金額や読了/未読の種別は表示できなくとも仕方ないが、購入日はソートを行うためにも欲しかった。ちなみにデフォルトの並び順は書籍名の五十音順(エクスプローラでの表示順)となっている。

二重買いの防止や万一の場合の備えとしても有用

 本ソフトの最大の利点は、リストがExcel形式であることだ。ファイルが生成された時点ですでにフィルター機能がONになっており、絞り込みや検索がすぐに行える。XMLの生データをそのまま開くとこうはいかない。また他形式への出力も容易だ。

並び替えはもちろんのこと、著者名や出版社名での絞り込みも軽快に実行できる

 Kindleの購入済みコンテンツの一覧は、Amazonアカウントサービスの「コンテンツと端末の管理」でも見られるが、これらはタイトル、作成者、購入日のそれぞれ昇順と降順でしか並び替えができず、絞り込みは実質キーワードでしか行えない。そもそも蔵書管理のためのユーザーインターフェイスではないので、動作も遅く、利便性は高くない。

 それに対してこの「Kindlist」で出力したリストであれば、ローカルで高速に動作し、ソートや絞り込みも容易に行える。複数の電子書籍ストアを使い分けている場合にコンテンツの所有状況をすばやく検索でき、重複購入の防止にも役立つ。シリーズ物の購入漏れをチェックする用途にも最適だろう。

 また(あまりあってほしくないことだが)将来的に不測の事態でAmazonのアカウント自体にアクセスできなくなったり、またアカウントがBANされることがあったとして、その時にこのリストさえあれば、購入済みコンテンツがすばやく把握できるので、その後の対策も立てやすくなるはずだ。そうした万一の場合の備えとしても有用と言える。

 リストは差分ではなく完全版を出力することになるので、リストをあれこれと加工していた場合、次に出力するといちからやり直さなくてはならず、そのためにもやはり前述の購入日の項目は(差分を把握するためにも)ほしいところ。ともあれ便利なツールであることは間違いないので、大量の蔵書があるなら使ってみて損はないだろう。

ソフトウェア情報

「Kindlist」
【著作権者】
つかさ 氏
【対応OS】
Windows 10(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(寄付歓迎)
【バージョン】
1.2.0.0(22/05/12)