レビュー

「DeepL」でWebページ全体を丸ごと翻訳できる公式のGoogle Chrome拡張機能

「DeepL Pro」の購読が必要だが、部分テキストの翻訳ならば無料アカウントでもOK

AI翻訳サービス「DeepL」が公式で提供している「Google Chrome」用の拡張機能「DeepL翻訳(ベータ版)」

 「DeepL翻訳(ベータ版)」は、品質の高さで知られるAI翻訳サービス「DeepL」が公式で提供している「Google Chrome」用の拡張機能。「Chrome ウェブストア」から無償でダウンロードできる。

 「Google Chrome」にはもともと翻訳機能が搭載されているが、なかにはより自然に翻訳できると評価されている「DeepL」を代わりに利用したいというユーザーもいるだろう。[Ctrl]+[C]キーを2回叩くだけでクリップボードにコピーできる公式のデスクトップアプリを利用してもよいが、Webページを丸ごと翻訳したい場合はテキストの選択が大変だ。

 そこで試してほしいのが、5月下旬から提供されている公式の「Google Chrome」拡張機能だ。

 本拡張機能を「Chrome」にインストールしておけば、母国語以外のWebページを開いてしばらくすると、右上の「DeepL」のパネルが現れる。これを利用すれば、Webページ全体を手軽に翻訳することが可能。基本的に「Chrome」用だが、「Microsoft Edge」をはじめとする「Chromium」系のWebブラウザーであれば問題なく利用できるようだ(編集部で「Edge」のみ動作確認)。

「Chrome」にインストール
母国語以外のWebページを開いてしばらくすると、右上の「DeepL」のパネルが現れる
Webページ全体を手軽に翻訳できる
ツールバーに登録して、手動で拡張機能パネルを呼び出すことも可能

 「Chrome」標準の翻訳機能をバッティングして煩わしい場合は、「Chrome」の方を無効化してしまうとよいだろう。

「Chrome」標準の翻訳機能を無効化してしまえば、より快適に利用できる

 ネックとなるのは、有償ライセンス「DeepL Pro」が必要になること。利用する前に、「DeepL Pro」のアカウントでログインする必要がある。

利用する前に、「DeepL Pro」のアカウントでログインする必要がある

 無料ライセンスでもそのうちWeb全体の検索がサポートされるとのことだが、無料ライセンスにはエンドツーエンド暗号化(E2EE)と、クラウドに送られた翻訳テキストの即時削除がサポートされないため、業務での利用に適していない。「DeepL Pro」は30日間無償で試用できるので、これを機会に試してみてもよいだろう。

 そのほかにも、本拡張機能は選択テキスト翻訳することも可能。テキスト選択時に現れるアイコン(無効化可能)を選択するか、右クリックメニューから翻訳コマンドを選択すると、翻訳結果がパネル表示される。

部分テキストの翻訳は無償ライセンスでも利用可能
翻訳結果。パネルの表示場所は上下選べる

 また、Webフォームでテキストを入力する際、右下に表示されるインジケーターから翻訳機能を呼び出すことも可能。

Webフォームでテキストを入力する際、右下に表示されるインジケーターから翻訳機能を呼び出すことも可能

 ちなみに、この閲覧時・書き込み時の翻訳機能は、「DeepL Pro」アカウントでログインしていなくても利用できる。アイコンや右クリックメニューの代わりに、キーボードショートカットを割り当てて翻訳を行うことも可能だ。

 なお、本拡張機能の開発はまだベータ版の段階だ。積極的に開発元へ報告し、品質向上に協力してほしい。

ソフトウェア情報

「DeepL翻訳(ベータ版)」
【著作権者】
deepl.com
【対応OS】
(編集部にてWindows 11で動作確認)
【ソフト種別】
フリーソフト(一部機能は有償ライセンスの購入が必要)
【バージョン】
0.19.0(22/06/14)